勇者と英雄と

黒猫

第1話 2人の英雄

物語には勇者と魔王が存在し、勇者は魔王を倒したのち英雄と称えられて英雄と呼ばれる。

必ずしも勇者が魔王を倒せるとも限らないが…


「よくぞ魔王を倒してくれたアクネ、ネル」

「「ありがたきお言葉」」

俺たち2人は王の前に片膝をつく。


「そなたらには生涯遊んで暮らせるほどの金貨を渡そう。それでなんだが」

王は何かを提案するようだ


「今回のそなたらの功績を勇者のものとさせてもらいたい」

王の意図はわかる。

どこぞの2人よりも勇者が倒したとあったほうが民にはよいのだろう。


勇者があんなのでなければ功績にしてもよかったのだが、あいにく性格はごみ屑だ。

「勇者と言っても、魔王と一度も戦わず、しまいには魔王側につこうとしていましたがねあの屑」

「そこも重々承知している。だが民が安心して暮らすには仕方がないことなのだ」


別に俺たちは功績が欲しくて戦っていたのではない。ただ安心して生活をするためにやったことだ。

「まあ、しっかりと金がもらえるのであればいいでしょう」

「災厄の事態が起こった場合ここに連絡をしてください。その他はそちらで対処をしていただきたい」


「重々承知している。英雄をあまり困らせることはしたくない」


俺たちは金を受け取り隠居生活を始めるのであった



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