第22話国の威信を背負うということ
「次のチームは、、、メッカ王国のチーム!!!」
そして現れた三人組。彼らは、全員完全に体を覆うようにして鎧を着こんでいた。男か女かもわからない。
「メッカ王国っていつもこんな感じなのか?暑そう。」
「いえ、、いつもは。もっと科学技術の結晶の機械を持っている感じなのですが。」
ざわめいている周囲。
ヒュドラの炎にすぐ溶かされそうだな。
「ロボット起動。」
鎧が一人でに動き出す。人が操縦しているようだ。ヒュドラもこの鉄の塊に困惑をしているようだった。ロボット、と呼んでいたか。
そして、ロボットの足が軽快に動き出す。3人、いや3個の動きは完全に補完が取れている。そして、一つ首を落とす。しかし、その他の二つの首を落とすことはしない。落としてからもすぐに引く。もちろん、ヒュドラも黙っているわけではない。ロボットを捕まえようとする。だが、、、、明らかに生物では出せないような速度をロボットが出しているので、捕まえられない。炎もロボットの鎧を微塵も溶かせていない。
「?直ぐに回復されそうだが。」
その通り、首はもう回復しつつある。ただ、3人は全く焦っているわけではない。
「落ち着いていこう、長期戦だ。」
通常。長期戦は冒険者に不利だとされる。その理由は、、、モンスターは回復ができるから、という一点に尽きる。モンスターが手を切っても、目を焼いても、足をちぎっても再生できるのに対し、冒険者は柔肌の一個でさえも回復できないのだから。もし、人が、、、あるいは。
目の前で、その「常識」が今まさに、打ち破られようとしていた。その歴史的瞬間に立ち会った人は何を考え、何を感じたのか。ある人は、特に何も知らない人は退屈だと感じたのかもしれない。しかし、知っている人は、ちゃんとした奴はこの先起きるかもしれない「革命」に、心躍らせたのだ。
又、総数で15本目ぐらいだろうか、ヒュドラの首が落とされた。いつものように、首は再生するかのように見えた。が、再生はされなかった。もう再生はされなかった。続いて、他の首を落としにかかる。
ほどなくして、ヒュドラは倒れ命尽きた。
「おーーーーー!!!!倒したぞ!!!」
「なんだ、あの機械?」
「すごすぎだろ!!!!」
「アレを買い占めとけ!!!」
俺たち三人はそれに圧倒されていた。機械の爆発力。革命、という二文字がすべての人の頭の中にあるだろう。
「なあ、あれが実用化されたら、俺たちは、冒険者の未来はどうなっちまうんだろうな。」
「・・・・・はは。考えたくもないですね。」
「最後の挑戦者は~~~~マイネスのチーム!!!」
男一人。女二人。その中で圧倒的存在感の男が一人。ずっと室内にいたかのように、真っ白い透き通るような肌。長身。そして、優れた容姿。百万人に一人ぐらいの美しさ。
「キャ~勇者様~。」
「勇者ぶちかませ!!!」
飄々とした顔で、出てくる3人。勇者の実力を見定めてやろう。みんなそんな感じの顔をしている。さっきのを超えた奴は出てこないだろうと。
「今日は使っていいみたいなんでね。」
と、勇者は剣を抜き始めた。風格がある。観客はもう一挙一投足に夢中になって、沈黙を守り続けた。
「行きますよ。」
その時、そこにいた商人Àは語る。
「いやあー。正直ね。その前で、衝撃的なロボットを見てますから。これ以上の衝撃は、ないだろう。と、タカをくくっていたんですが。」
(わざとらしく言葉を切る)
「それを裏切るような出来事が起きたと。」
「そうだね。まったく、大変なことが起きたもんだ。」
その時、、、だれもその動きを見れなかった。その時、だれも身動きもをとれなかった。取りようがなかった。その時、それをひっそりと見ていた者が。その時、、、、、その時、、、その時。みじん切りにされた、ヒュドラなんて、ご飯の漬物。スイカの塩。おまけでしかなかった。
観客は「奇跡」を目の当たりにすることになった。一筋の光。それが終わった後には、すべてが終わって、剣には血がついていたのだから。
「感動しました。」
「うん。」
「あんな、人間がいるんですね。」
「うん。」
「本当に、彼だけ人間じゃなくて勇者、という生物のようだ。」
「うん。」
その日の夜は、あの光景が目に焼き付いて離れなかった。もうどれがどれかわからなくなるほど斬られたヒュドラ。一筋の光。何故か見えた勇者の動き。どういうことだ?あれは俺が見れるわけがない。見てはいけないものだ。俺の体は残念ながらそんなにハイスペックではない。もし、あの力が俺たちに使われたのなら、、、そんなことを想像しても仕方ないか。勇者の恐ろしい力の片鱗を目撃したことで、自分の体はなぜかうづいてきている。
「あー。寝れん!!!!外出てくるか。」
外は星がきれいだった。月が不気味なほどに輝いている。そういえば、魔族は月が近づくほど力が増すとか言う迷信があったな。どう考えても迷信なのだが。今日はもう寝れない気がした。
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日常書くのって難しいですね。
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