第21話日常

家での生活も堂に入ってきた。大体、料理はマーカスがしてくれる。マーカスが作る料理は絶品だ。もしかしたら、料理人の素養があるのかもしれない。

「普通は奴隷にやらせるか、メイドがやるんですけどね。しかし、この料理うまいですね。」

「自信作なんだよ、このハンバーグ。」


朝、ギルドに行き一日でできる簡単な話題がなければそのまま帰ってだらだらし。あったら、適当にそれを済まして帰る。それが俺たちの日常のルーティーンである。


「あれ?今日はやけに人が少ないな。」

いつものように、ギルドに来た俺たち。

「そうですね、おかしいな。今日はなにもなかったはず。あ!!!これですよ。これ!!!」

レイの指先はポスターを指さしている。勇者も出るとか書いてあるな。

「王国立学校三国交流戦?有名なのか?王国立学校なんてものがあるのも知らなかったが。」

マーカスも知らないらしい。

「国民的娯楽じゃないですか!!しかも今回はこの町開催!!!今日からだったんですね。今からでも間に合うかな????すごく面白いですから、行きましょうよ!!!」

正直、どうでもいいが。レイが行きたいのなら、付き合ってもいいだろう。


会場は、もはやおなじみのコロシアムであった。

「うへ―。満員だな。後ろの方での立ち見しかできないっぽい。」

「前の方は、学校の応援団でいっぱいですからね。」

「今は何やってるんだ?」

コロシアムの丸い円上で、6人が戦っている。

「あれは、、、パーティー戦みたいですね。男女問わず、3人一組のパーティー二組が連携して戦う。連携が重要らしいです。」

会場内は異様な盛り上がりを見せていた。男子と男子が斬りあうごとに、激しい金属音がここまで聞こえてき、そのたびに観客から歓声が沸き上がる。

「六人とも、戦うスタイルと武具が随分と違うんだな。武具の違いとかで、不公平にならないのか?」

「この六人は、それぞれの国の威信をかけて戦ってるんです。武具もその国の最新鋭のものを使っています。そんな不平は出るわけありませんよ。」

と、言った時だった。片方の弓を持った女子が矢に当たって、倒れたのだ。

「お、戦況が動くぞ。」

それに注意をひきつけられた男の剣が、対戦相手に遠くに飛ばされる。しかし、その足でその相手の睾丸を思い切り蹴ったのだ。

「「「お~。」」」

何とも言えない雰囲気がそこらに漂う。

戦況はわからなくなってきた。男を失った側と女を失った側。その結末は、残ったものに託される。


相手チームに突進する残った男。相手チームの女子の一人がタックルでふっとばされた。

「終わりだね。実質男のタイマンで勝った方の勝利なんじゃないか?」

「いや、ちゃんと見てください?」

残った一人の女子には、何もできないだろうに。そうして、男がじりじりと距離を詰めていく。ん?なんだ?何を取り出そうとしているんだ?残った女子は、自分のバッグから大剣を取り出した。降りかかる矢を身に余る大剣で見事に捌ききっている。

「え、マジ。」

そして、その大剣で男を撫で切った。

「こういうことがあるから面白いんですよね。」

た、逞しい。


「ね?面白かったでしょう?」

見ていた試合が終わったころ、得意げにレイが言ってきた。

「まあな。盛り上がりもすごかったし。でも、連携はいまいちすごくなかったな。」

「じゃあ、次は面白いもの見れると思いますよ。」

?三つある首


段々と観客も増え始めた。次の競技はそれだけ注目されているらしい。

「次の競技は、モンスタータイムアタック!!!!モンスターをどれだけ早く倒すか競う競技だ!!!」

堅牢が、観客の目にさらされる。

「今回のモンスターは、Sランク指定モンスターヒュドラーです!!!」

その巨体に、同時に落とさないと死なない三つある首。そのおかげで三つある火を吐く口。毒がついている牙。そして、凄まじい再生能力。

「俺たち、あれに勝てるかな?」

「多分、無理じゃないですか?俺たちで落とすには、一人ずつ一つの首落とさないといけないんですよ?」

だよなあ。どうするのだろうか。


男が二人、女が一人。3人とも、ヒュドラーを見ても自信満々といった風貌である。

「俺が二本、コミーが一本だ。サリーはサポートを頼む。」

「「了解。」」

二人がヒュドラへと向かっていく。女子が矢で一つの目をつぶす。もちろん、モンスターのターゲットがその女子に向く。

「今だ!!!!」

二人の男子が一に蜂のようにとびかかる。一人が、ひらりと首を一つ落とした。

「オーやるな。」

その間にもう一人が完全に捕まえられて、食べられようとしているが。

「突入!!!!!!」

待機していた医療班と、救護班がヒュドラと相対し、生徒たちを救出する。

「あーこれで終わりか。結局倒せないのね。」

「ヒュドラはさすがに難しすぎましたね。いつもは、もっと弱いモンスターです。ちょっとおかしいぐらい。」

観客からも、悔しがる声や残念がる声が聞こえてきた。次のチームも勝てるのだろうか。

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ほ、星評価をください。砂漠の中での水みたいに癒しです。





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