第16話犯罪組織
レイの妹、メイにつられて来たのはローマンと並ぶ都市、マースだ。ローマンには、王がいるがここは,、商業がさらに盛んである。
「いい加減、俺たちを何で連れてきたか、教えてくれてもいいんじゃないのかな?メイ。」
レイは、さっきからこんな感じで不機嫌である。
「そうですね。今から、皆さんには私たち憲兵の協力をしていただきたいのです。」
この瞬間、マーカスのまとう雰囲気が剣呑でないものになった。もちろん、彼自身は無意識で、、であろう。おそらく、俺もそうなっているはずだ。
「特に、犯罪組織壊滅の任務を。」
奴隷関係でないことで、少し安心はするが。
「しかし、何でおれたちなんだ????俺たちより強いパーティーなんて、どこにでもいるだろう?」
「そりゃあ、強いパーティーはこの町にもいますが、、、素性に問題アリって連中なんですよね。」
「そもそも、冒険者ってそういうやつがなるイメージあるしな。」
「でも、お兄様のパーティーなら、と思い連れてきました。」
なるほど。
「ということだそうです。レオさん、受けますか?????」
「ここまで来たからには、受けた方が良さそうだけどな、、、もちろんお金も出るだろうし。」
「そうですか、、、じゃあ話を聞かせてよ、メイ。」
聞かされた話はこのようなものだった。ここ、都心部には現在暗殺、違法品売買、そして盗賊などなど犯罪行為をやっている組織が存在しているらしい。しかも、相当な規模で。それを憲兵たちで一斉検挙を検討している。ようだ。それへの戦闘への参加。それが求められた。
とはいっても、犯罪組織のアジトを憲兵たちが見つけるまでは、もちろん暇である。
3人でブラブラ歩こうという話になった。
「奴隷市場に行きませんか???」
そして、レイが俺たちの地雷原でタップダンスをしようとしている。こいつ、、、一回奴隷にしてやろうか?????
「怖い顔しないでくださいよ。じゃあ、いっちょ行きますか。」
始めてきた奴隷市場。酷い匂いがする。鞭の跡が残る奴隷達。そして、醜い商人。場違いのところに来てしまったと実感する。
「さあ、いらっしゃい、いらっしゃい。奴隷たちのたたき売りだよ~。
一人100万!!!!!」
「ここには、強い奴隷がいっぱいだよ~。まず、普通の喧嘩にゃ負けないね。500万オンス~。」
悪臭はだんだんと、奥に近づくにつれてひどくなっていく。環境がわるくなっているのだろう。奴隷達も、弱っているのがめにみえてわかった。
「もう出たいんだが、、、レイ。」
「ああ。こんなところにはいたくない。」
「そうですか、まあそんなもんですね。」
事件は二日目の朝に起こった。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドまるで、羊の大群が駆け抜けたような爆音が宿から聞こえてきた。
「すべてを打ち壊せ~!!!!!」
「奴隷商人は全員殺したか??????」
「あいつは、昼間俺の体を存分にいたぶったやつだ!!!!ぶっ潰せ!!!!!」
「こっちには鉄砲があるぞ。」
窓の外から、怒号が聞こえてくる。
「ちょっと待て。」
窓を焦って開けようとしたレイを止めた。
「ここは一階だ。今開けたら、奴隷たちがなだれ込んでくるぞ。」
「そ、それはそうですね。」
しかし、レイはだんだんと息が荒くなっている。顔も青白くなっているし。
「大丈夫か?レイ?どうかした?」
「い、いや別に。それよりも、メイが心配だ、、、大丈夫かな、、、」
「わからないな。どこにいるんだろうか、、、とりあえず、町にいそごう。」
反乱だとか、そういう場面に出くわすのは人生の中で初めてだったが、もう一生見たくないな。僕たちは修羅場に遭遇しすぎじゃないか?奴隷の人生なんてそんなものなのだろうか。
「メイーーーーーーーーーー!!!!どこにいるんだ????返事をしてくれ!!!!!!頼む!!!!!!!!」
必死な形相でレイは叫んでいる。彼は、もう泣き出しそうな顔だ。
「メイちゃーん!!!!!!!マーカスだよー!!!!!!!!!!!!出ておいで!!!!!!!」
「奴隷たちは、一定の方向に向かってるっぽいな。そっちの方向にいるかもしれない。早く行こう。」
よろよろのレイを引っ張るようにして、連れていく。
中心に近づくにつれて、憲兵が増えてきた。しかし、奴隷のほうがもちろん数が多い。劣勢である。
「憲兵に加勢しますよ!!!!!レオさん!!!!!」
さて、この状況になってからずっと考えていたのだが、ここにはいくつかの選択肢がある。一つはレイの言った通り、憲兵に加勢する。レイの妹であるメイさんも助けられる。戦えばいいのも、知らないやつだけ。一番気が楽である。そして、、、もう一つ。奴隷に加勢する。これに従えば、、、、奴隷たちが幸せになれる世界が作れるかもしれない。けど、、、、、、、レイとメイには間違いなく敵対すること間違いなしだ。ここで、道を分かつこととなる。・・・・・・・・・・・
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