第13話いざ、ドラゴン討伐

集合場所、ローマンギルドには、少し早くついていた。周りには、もう筋骨隆々、威風堂々とした冒険者たちがわんさか存在している。その中でも、特に目立つものが一人。

「ローマンギルド総長、コータス。」

おそらく、この中で一番未熟であろう僕でさえわかる。その男の、いや生物、人間としての圧倒的風格!!!!!威圧感!!!存在感!!!!!!!見たものを、強制的に振り返らせるようなカリスマ性!!!!!別に、ほかの男と比べて容姿は並外れているというわけではない。背丈も、筋肉も。はては顔の美しさまで、凡人と大差なし、とはっきりということができる。しかし、、、そんな人物なのだった。


「レオさーん。起きてますか??????」

ここに、その魔力にかかってない人物が一人。おそらく、こうでなかったら感動の再会になっていたに違いない人物だ。

「レオさーん!!!!!」

「うるさいぞ、レイ。俺は今モーレツに感動しているんだ。」

しかし、そいつはまるで不思議そうな顔をして、もう一回発言する。

「誰を見てるんですか?いまいち、目立っている人はそっちにはいませんが。」

今度はこちらが不思議な顔をする番だった。

「わからないのか、、、まあいいや。マーカスは?合流できたのか?」

「はい、そうですね。無事合流できました。いま、そこで話していますよ。」

レイが指さした方向に、目を向けるとマーカスは同じような体格の人と談笑をしていた。

「お前らのところもここ約20日の間にいろいろあったみたいだな。」

「ええ、盗賊との交戦に始まり、市場最強決定戦への参加、などなどかたりきれませんよ~。」

そっちも濃そうだなあ。


ちょっぴりの間の思い出話に花を咲かせたのち、号令がかけられた。

「冒険者集合!!!!!」

低くて、それでいて人を引き付ける魅力のあるコータスさんの声がそこら中に響き渡る。

「よくぞみんな、集まってくれた。これからするのはドラゴン討伐だというのに、みんな臆することなし、という表情をしていて安心している。さて、こちらの戦力について説明しよう。まず、君たちのような有志として集まってくれた冒険者たちが、100人。」

この時点で、もう歓声が上がっていた。普段、ドラゴン討伐にこんなにも人が集まることは珍しいそうだ。今回は、討伐時の山分け報酬が高いのでたくさん集まったそうだが。

「そして、Àランク冒険者パーティーが5チーム。」

パーティーのランク、とは。モンスターの討伐実績により、国に指定されるランクである。モンスターと同じく、上に行けば行くほど強い、となっている。ちなみに、彼らがそのモンスターと同程度に強い。

「クラックス兄弟、ミネルヴァ、・・・・・・・・・・」

「最後に、Sランクパーティーが1つ。」

今度のどよめきは、さっきとは比べ物にならなかった。

「まさか、この国が3つしかもっていないSランクパーティーも参加するとは、、、Sランク相当であるドラゴンには当然、、、なのでしょうか。」

「安全でよかったじゃないか。」

そして、話題は作戦へと移る。

「解散!!!!!」

明日へ備えるため、早く帰って寝ることとした。


早朝。ドラゴンが住処としている廃城への総攻撃が開始される。

正直言って、俺は緊張をしていた。まるであの夜のように。大丈夫だ、ここにはS級1個、À級が5個いる。いざとなれば、何とかしてくれるはずだ。そうわかっているはずなのに、足の震えが止まらない。それは、目の前に夢の中ともあるまじき巨大なモンスターが巨大ないびきをかいて、寝ているから。そして、生物としての、人間としての生存本能として逃げようとする足をひっしに押さえつけるためでもあった。そして、周りの冒険者たちは、、、、、、、飲んでいた。ある黄色の物体を。

「はー。生き返るぜえ。力が、どんどんわいてくる。」

そう言った冒険者の体つきが、どんどんと大きくなっている。あっという間に、10cmほど伸びたのだ。そういう効果があるのか。なるほど。しかし、周りの冒険者がそれを飲むのは納得していながら、マーカスが一緒にそれを飲もうとするのには、納得しかねた。胸騒ぎがするのだ。

「マーカス、やめたほうがいい。それは、多分体に良くない気がする。」

「なんでだ?周りの人も、a級でさえも飲んでいるんだぞ?なんで僕だけは、飲んじゃいけないんだ?」

それは、、、

「心配だからだよ。頼む。」

マーカスは不可解な顔をして、飲むのをやめた。レイは飲んでないよな?ふとそんな不安に囚われた。

「そのこな、なんか嫌な感じがするんですよね、だから飲んでません。」

相変わらず、しっかりしているな。


そして、討伐が始まった。冒険者たちが空飛ぶ動物が唯一陸に降りる瞬間をねらって、攻撃を仕掛けていく。

もちろん、竜はそれで起きあがろうとするが、目を開けた瞬間に目を潰される。

「よしよし、いい感じだ。このまま、こっちに来んなよ。」

ドラゴン討伐の部隊は、前衛と後衛、2つに分けられた。前衛が今現在、攻撃をしている部隊、後衛がここで待機をしている俺たちだ。前衛は、経験豊富なベテランたちがそろって、素早くドラゴン倒せるような布陣になっている。つまるところ、後衛は前衛で何か起きたときの予備軍的な扱いである。そして、できれば何も起きないでほしい。そう思った僕たちのの前でドラゴンが立ち上がった。




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