第38話 結婚式
おれが目覚めたのは、翌朝の事だった。
おれが目覚めると、半裸の
身動きが出来ないので、
頭にきたので、そのまま二度寝して気づいたら、半裸の強姦魔が三匹になっていた。
おれは、三匹をベッドから蹴りだすと、メリダさんの部屋に向かった。
メリダさんの部屋には、リンゴちゃんが来ていた。
「おお、モモ!目覚めたのか。急に倒れた時は肝が冷えたぞ」
「ああ、モモお姉さま!ついに私の願いを聞き届けてくれたのですね!うれしいです」
部屋に入るなり、リンゴちゃんに抱きつかれたが、願いを聞き届けた?ってなんだ??
おれが頭にクエスチョンマークを増やしていると、リンゴちゃんがおれの下腹を触りだした?!
「り、リンゴちゃん?!」
「モモお姉さま、きっとよい子が生まれますわ。私に、お姉さまの次に抱かせて下さいませ」
「え~と?」
おれは状況がわからず、メリダさんに目で助けを求めた。
メリダさんは、ため息をつくとおれに言った。
「モモ。お前は妊娠している」
にんじん?人参?隣人?鰊?
メリダさん、頭を左右に振って額に手を置きながら、もう一度言った。
「分かってないようだから今一度言うが、お前の腹に子どもがいる」
「………………は?!」
子どもが腹にいる…だと?!!
「心当たりはあるだろう?ベルンや他の夫達に会って、聞いてないのか?」
三匹は、有無を言わさず蹴りだしたが、心当たりは……………あるな。
え、ここにいるのか?
おれの子
「………………」
「モモお姉さま、おめでとうございます。妊娠
おれが無言で腹をさすっていると、リンゴちゃんがおれの手に手を添えて言った。
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「モモ、でかした」
「勇者モモ様、私はうれしいです」
「精霊モモどの、あなたはますます愛しい」
なんやかんやあって、強姦魔達に嬉しくない祝福を受けて腹が立った。
いや、子どもを授かった事自体には、嬉しくないわけではない。
問題なのは
「お前らのせいで、誰の子か分からんじゃないか!」
「大丈夫だ。生まれれば判るし、俺たち全員で育てるから問題ない」
「勇者モモ様、貴女から生まれる子は間違いなく私達の子です」
「精霊モモどの、貴女の子は間違いなくカイオス、キハロス、メテルナの王族ですぞ」
待て、待て、待て、おれが気にしてるのは、そういうことではない。
「おれが気にしているのは、おれが勘違いでお前らを誘って、お前らも誤解したまま、おれの意思を無視して出来ちゃったってとこ!愛がなくて出来たって、子どもに申し訳ない!!」
ベルンが、驚いた顔でおれに言った。
「そうなのか?まだ、愛が足らなかったか?」
「え」
ジーナスが、おれの右手を触りながら言った。
「勇者モモ様、それはいけませんね。子ども達の為にも、もっと愛を育みませんと」
「はいぃ?」
ラーンが、おれの左手を触りながら言った。
「精霊モモどの、私に全てを任して下さい」
「ま、ま、待て、待って、違?!!」
「「「大丈夫だ、お腹の子に障りが出ないように、優しくする」」」
「違ーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
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また、おれは七日間、ベッドから出れなかった。
優しくするって言ったのは、何処のドイツだ、袖ケ浦か?嘘つきめ。
所詮、奴らは何処までいっても強姦魔だ。
◇◇◇
「結婚式?」
三匹が、口を揃えて言ってきた。
強姦魔1号「そうだ、三国合同になる」
強姦魔2号「三国の国境中心、湖の小島で行います」
強姦魔3号「数隻の帆船で島を囲みます」
「い、いや、そんな慌ててやらなくても」
強姦魔1号「腹がでかくなってから、やりたいか?」
強姦魔1号が、ニヤケながら言ってきた。
そんなまさに出来ちゃた婚みたいなマネ、出来るわけねーわ。
こんちくしょーっ!
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結局、一週間後におれがよく歌を唄っていた、あの岩礁の小島で結婚式が行われた。
キハロスの神殿長の爺さんが神事を執り行い、警備がメテルナの帆船部隊。
そして周辺国からは、さまざまな貢ぎ物がとどいたが、おれが涙を流して感動したのはガルガからの貢ぎ物だ。
なんと、モウモウのつがい、二十組である。
しかも、モウモウはおれの予想通り、ほとんど牛クリソツな動物であった。
これで肉もだが、牛乳など乳製品の生産が可能になるだろう。
リンレイさんの親父さんの入れ知恵だろうが、ほんと有難い。
しかし、おれが女になって男三人と結婚。
さらに、妊娠かぁ、正直、勇者として召喚された事自体、いまだに現実感が薄いのに…………はぁ、万が一、ここで元の世界に帰ったらおれ、なんて家族に説明するんだ?
兄ちゃん、結婚したんだ。
ほら、旦那が三人でお腹に旦那達の子がいるの、家族が一気に増えるから宜しくね?
え、良い奥さんもらって兄ちゃんが一家の大黒柱になって、結婚式に呼んでくれるって言ってたよね?
しょうがないじゃん、兄ちゃんが奥さんになっちゃったから。
これから、出産、育児に家事に頑張るからね?
とりあえず兄ちゃん、区役所に母子健康手帳を受け取りにいかないと、は!その為にはまずはこっちで医療機関に行って医師の診断を
受けないといけないよね?
あ、健康保険証はどうすればいいんだ?
そもそも性別変わってるから、戸籍を直さないといけないし、本人と立証する事ってできるのか?
それに、旦那たちパスポートないから出入国管理法に引っ掛かるやん。
難民認定してもらうか?
おい、あの世界に存在しない国名で難民認定できるのか?
不味い、おれ、旦那たちと捕まるじゃん。
なんだ、おれ、もう社会的にも向こうに戻れないんだけど。
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