第534話 雑魚

(酷いな……)


 光学迷彩を施し、飛翔魔法で空に上がったレイは、意識の無いユリアンを担いだまま、黒く染まった王宮を見て眉間に皺を寄せた。


 遠目から城の外壁が黒くなっていくのは分かっていたが、よく見ると黒いシミは有機物を腐らせる性質があるのか、城の石材や金属部分以外を朽ちさせていた。


 そして、生きている人間は黒いシミに触れた途端、肉が剥がれ骨と化し、自我を持たぬ不死者アンデッドへと変わる。


 黒い液体の浸食速度は決して速くなく、普通に歩いて躱せる程度だ。しかし、建物の中にいればどこから黒い液体が襲って来るか分からず、無事に避難できる経路はそれほど多くない。それに、液体に触れ骸骨と化した者が逃げ惑う人間を襲い、襲われた者が腐乱死体ゾンビとなって生者を襲うという負の連鎖が起こっている。


 まるで、地獄の様な光景だ。


 外部からその光景を見ていたレイは、地下の探索より先に、元凶の排除を優先すべきか迷っていた。拠点にいた時は楽観視していたが、黒いシミが城全体を覆えば、地下遺跡を探すどころではない。


 しかし、『不死の大魔術師モルズメジキ』を何とかしようとする勇者や行政の動き等は一切見られない。



(そもそも、他の都市に比べて衛兵や警備が手薄過ぎる。他の国に戦力を回しているとしても、自分達が俺に狙われているのを知ってる体制じゃない……やはり、メインは地下か)


 九条彰はレイが何人も勇者を殺しているのを知っている。そしてその実力もだ。王都や王宮の警備体制はそれを想定しているとは到底言えず、最低限のものしかない。レイがあっさり城に侵入し、脱出できたのもその為だ。城の地下にある古代遺跡に戦力を集中しているのだろう。


 九条彰が『次元時空転移装置』を使って何をしたいかは不明だが、その装置を守るのにも戦力は必要だ。『鍵』の捜索はともかく、地下の遺跡から主戦力を動かさないのは戦略的にも合理的ではある。


(九条にとって王都がどうなろうが構わない。他の勇者が出張って来ないってことは、その九条の考えに賛同してる。そう考えて間違いなさそうだが……)


 レイは上空に浮かぶ骸骨を倒しに、勇者の誰かが来ることを望んでいた。聖属性を扱える勇者はどれも強敵だ。できる事ならその勇者達が上空の骸骨と対峙している隙を狙いたいところだったが、時間の猶予は無さそうだ。


 九条達が潜んでいる地下への入口を探す必要があるが、その為には黒いシミを止めなくてはならない。王宮全体が黒く染まる前に、レイは自分が始末するかどうかの選択を迫られていた。


(まあ、あの骨のバケモンを奴等が放ったんなら来るわけないけどな。もし、俺がやりたいことを向こうも狙ってるなら、間違いなく来るのは師匠ジジイだ)



「しかし、その方が俺にとっても都合がいいか……」



 レイは強化した視力で王宮の上にいるモルズメジキを見る。髑髏の眼窩にある怪しい光が、視線を向けるように地上の一点に向いていた。



(なんだ、何を見ている?)


 …

 ……

 ………


「隊列はいつもどおりに!」


 夏希がメンバーにそう指示し、自分は殿を務める。遺跡探索中、後方から魔物に追われた場合のパターンだ。


『エクリプス』の後方からは剣や鎧を纏った骸骨騎士スケルトンナイトが追って来ている。その数は二十体ほど。しかし、今も路地からわらわらと現れ、その数がどんどん増えている。中には全身を齧られボロボロの腐乱死体が混ざっていた。


 王宮の半分以上が黒く染まり、王都のあちこちで不死者が無秩序に動いている中、夏希達の周辺にいた不死者達は明らかに『エクリプス』を狙った動きを見せている。だが、不死者達の狙いは夏希である。


 それは上空にいる『不死の大魔導師リッチ』、モルズメジキによる指示だ。依り代となった高槻祐樹の残留思念がそうさせるのか、もしくは夏希の力に興味があるのか、モルズメジキは夏希に執着していた。



「うわぁぁーーーん!」


「「「ッ!」」」


 民家の一つから幼い子供が泣き叫びながら飛び出してきた。その後ろからは腐乱死体が子供の後を追うようにわらわら這い出てくる。


「くっ!」


「「「夏希っ!」」」


 反射的に隊列を離れ、子供を助けに走る夏希。子供の手を掴み自分に引き寄せると、襲って来る不死者達に向かって『能力』を発動する。


 ―『暗黒剣解放・反転世界』―


 周囲の明暗が反転し、闇の部分全てが暗黒剣の刃となる。


 ―『壊』―


 そして、次の瞬間、辺りの景色が元に戻り、それと同時に夏希に群がってきた全ての不死者がバラバラになった。


 だが、次から次へと不死者が溢れて来る。


「まったく、キリが無いわね……ん?」


 ここで夏希が気付く。


(コイツら、ひょっとして私が狙い?)


 新たに湧き出た不死者の群れは、『エクリプス』の他のメンバーではなく、一直線に夏希に向かって来ていた。


『すとーかーデアリンスネ』


「アンタいつの間にそんな言葉を……って、そんな事言ってる場合じゃないわね! 大輔っ!」


「は、はい!」


「この子をお願い。それと、みんな先に行ってて」


「え? 夏希さんは?」


「私はここで数を減らしてから行くわ。大丈夫、すぐに追いつくから」


 そう言って夏希は一人、不死者の群れに突っ込んで行った。



「ど、どうしよう……」


「大輔! 夏希に言われたとおりにするよ!」


 どうしていいか分からず、狼狽える渡辺大輔を近藤美紀が一喝し、大輔に子供をおんぶするよう指示する。


「そう、夏希は最強。絶対来る。それより、私達だって楽観できないわよ?」


 太田典子はそう言って、メンバーに前を見ろと促す。通りのあちこちに不死者が見える。


「これからも何が起こるか分からない。みんな、魔力は温存して。一気にここから脱出するわよ!」


「「了解っ!」」


 …

 ……

 ………


 夏希の暗黒剣は物理的な攻撃は出来ない。斬りつけた箇所を任意に破壊できるが、斬りつけた直後に破壊しても、僅かにタイムラグが生じてしまう。熟練の剣士相手には厳しいデメリットだが、戦闘技術の拙い魔物には十分通用する。


 その上、不死者アンデッドに対してはどんなに斬ろうが夏希に痛みや恐怖は返ってこない。不死者にそれらが無いのだから当然だ。


 しかし、どんなに強力な能力を持っていても、夏希は普通の人間である。肉体疲労は勿論、強力な能力は精神的な消耗も激しい。高槻祐樹が『不死の大魔術師』に変貌してから数時間、王宮からここに出るまでの道のりは楽では無く、夏希は絶え間なく襲って来る不死者達に剣を振り続けていた。



 そして、自らを囮とし、仲間から不死者の群れを逸らしたはいいものの、一向に襲って来る不死者の数が減らない。夏希は心身共に疲労がピークに達していた。



「はぁ はぁ はぁ……うっ!」


 夏希は膝を着き、口元を押さえてこみ上げてくる胃液を堪える。能力を多用し過ぎたのである。自分が気付かぬうちに、夏希の肉体は限界を超えていた。



「フフフッ どうやら限界のようだな……やはり所詮は貧弱な人間よ」



 空から声が聞こえる。


 いつの間にか不死者達の動きが止まり、モルズメジキが上空に現れていた。


 モルズメジキはゆっくり夏希の前に降り立つと、大げさに両手を広げて高らかに宣言する。


「喜ぶがいい! その力を我が一部に! お前を我の中で永遠に飼ってやろう!」


「雑魚をけしかけて疲れるまで待つなんて情けない奴ね……王とか何とか言ってた気がするけど恥ずかしくないわけ?」


「ほざくがいい。お前の様な能力持ちに対する合理的な戦術だ。我としてはお前の行く先々で全てを腐らせ、飢え死にするまで待っても良かったのだぞ? こうして我自ら手を下しに来た事を感謝するべきだ」


「見た目どおりイカレてるわね」


 夏希は力を振り絞るように立ち上がり、剣を構える。


 ―『反転世界』―


 夏希の能力により、モルズメジキが瞬時にバラバラになった。


 しかし、結果は前と変わらない。


「何度やっても無駄だ。お前程度の力では我を滅することは出来ん!」


 バラバラになったモルズメジキは霧になって霧散すると、一ヶ所に集まり元の姿に戻っていく。


 パリンッ


 モルズメジキに夏希が小瓶を投げつけ、割れた瓶から液体が飛散した。


「ふん、聖水か。そこらの不死者と一緒にしてもらっては困るな。こんなモノが我に効くわけなかろう。それに、暗黒属性の力を持つお前が聖水など笑わせる。属性が相殺され、効果が失われることを知らんのか?」


 苦し紛れに投げた聖水もモルズメジキには何ら効果が無かった。夏希には物理・魔法の双方を防ぐ鎧があるが、モルズメジキを倒す手段が夏希には見つからなかった。


(後は不死者に効果があると言われる銀製品だけだけど、生憎、手持ちに無いのよね……今まで能力に頼り過ぎてたことが仇になったわ)



「まだ元気があるようだな……もう少しお前の言う雑魚と遊んでいるがいい」


 パチンッ


 モルズメジキが指を鳴らすと、周りで動きを止めていた不死者達が一斉に動き出し、夏希を襲いはじめた。


「お互いに攻撃は通じぬ。だが、我と違い人間であるお前は体力がいつまでもつかな?」


「卑怯者」


「フハハッ 卑怯だなんだは人間に吐くのだな! 我は不死者の王なり! 永遠の存在に人の価値観など持ち合わせておらぬわ!」


 次々に夏希に襲い掛かる不死者達。


 夏希は剣を振い、それらを薙ぎ払っていく。



 しかし、それも長くは続かなかった。


 …

 ……

 ………


 ガシャン


 夏希はついに限界を迎えた。両膝を地面に着き、手から暗黒剣が消失する。能力を発現し続ける力も尽き、暗黒鎧も徐々に消えていく。


「ご……めん…………マ……マ」


 そう呟き、夏希は意識を手放した。


「んん~ 最後の言葉がそれか? フハッ! 強がっていても弱ればこんなものか。母親の名を泣き叫びながら未来永劫、我の中で生きるといい。ただし、不死者としてな! さあ、我と一つにしてや……おべっ!」


 モルズメジキの頬に突然拳がめり込み、そのまま吹き飛ばされた。



「邪魔だ骨野郎」



 現れたのはレイだ。


「クヅリ、本当にコイツの鎧がそうなんだな?」


『そうでありんす』


 レイは地面に倒れている夏希を見下ろすと、黒刀を向ける。


「ならさっさと取り込めよ。消えちまうぞ」


『……』


「どうした?」


『拒否されんした』


「ちっ!」


 レイは向けていた黒刀をそのまま夏希に押し込み、殺しに掛かる……が。


「ッ! 刃が……」


 まるで磁石が反発するように刃が押し戻される。


「おいっ! クヅリ!」


『わっちじゃありんせん! わっちでありんす!』


「訳が分からん事を!」


 レイは即座に腰の拳銃を抜き、夏希に向かって二連射する。


 パパァン


 夏希は咄嗟に腕を上げ、消えかかった手甲で銃弾を防いだ。


「ッ!」


 超至近距離で銃撃を防ぐ。それも、正確に狙われた箇所を手で防いだのだ。人間の動体視力と反射速度では不可能である。


 それもそのはず、銃弾を防いだのは夏希では無く、鎧自体だからだ。


『ワッチノ、ナツキニナニヲスルデアリンスカ?』


「まさか、コイツも……おい、クヅリ!」


『おかしいでありんす。アレもわっちのはずでありんすが……』


 夏希の着ている暗黒鎧の形状が変化し、夏希の全身を覆いはじめた。和風の戦国甲冑のような形に変わり、兜と面が新たに発現、意識の無い夏希の顔を覆い隠した。


『コレヲヤルト、ナツキニアトデオコラレルデアリンスガ……シカタナイデアリンス』


 剛ッ!


 予備動作も無く、突然、レイに向かって正拳突きが放たれる。まるで腕が勝手に動いたかのようだ。


「まさか、鎧が勝手に動いてんのか?」


 突きを躱しながら、人間離れした動きにそう判断したレイ。


「だが甘い」


 レイは瞬時に夏希の懐に入り込み、掌底を腹部に放った。


 ―『発勁』―


 がふっ


 面の口元から血が噴き出す。しかし、夏希は平然と立ったまま、即座にレイを殴り返してきた。


 その殴打にもレイは悠々と対処し、今度は足払いをして夏希の体勢を崩し転倒させる。


(人の動きじゃない。だが、武の欠片も無いただの振り回しだ。これは……放っておくだけでいいな)


 鎧が装着者を無理矢理動かしているのなら、中の人間は放っておいても自滅する。人間の可動域を無視した動きに筋肉や腱が耐えられるはずがなく、内臓への負担も大きい。このままレイが攻撃を避け続けるだけで鎧の装着者である夏希はいずれ死ぬだろう。



「小僧!」


 レイの背後にモルズメジキが立ち、レイの肩を掴んだ。


「随分舐めた真似……はぶっ」


「汚ぇ手で触んな。雑魚はすっこんでろ」


 レイは振り返りもせずモルズメジキに裏拳を放ち、悠長に文句を言うモルズメジキを吹き飛ばした。


「カッ カカッ……ば、馬鹿な……我を素手で殴るだと? それも二度……それに、我が触れて何とも無いだと? ……はっ!」


 モルズメジキはひびの入った頬骨と顔面に触れ驚く。


「我に傷? 何故復元しない? 聖属性? いや、あり得ぬ! 人間如きの力で我の身体に傷を付けるなどっ! ……まさか貴様ッ! タカツキの記憶にある女神の使徒かっ!」


「タカツキの記憶? ……お前、高槻祐樹か?」


 レイは振り返り、モルズメジキを見る。


「そうか、女神の使徒かっ! なら容赦はいらん。我のちか……らはぁ!」


「そこに脳ミソ入ってんのか? 質問には答えろ。それに、こんな至近距離で魔法を撃たせる訳ねーだろ」


 レイは会話中に素早く距離を詰め、黒刀の鞘でモルズメジキの横腹を薙いだ。剥き出しの肋骨が何本も砕かれ、またもモルズメジキが吹き飛ばされた。


「軽い奴だ。すぐに吹き飛びやがって」


 モルズメジキを高槻が変貌した悪魔系のバケモノと察し、レイは先にモルズメジキを始末するべく動いた。


「わ、我の身体がいとも簡単に……これはっ! 暗黒属性だとっ?」


 先程顔に受けた攻撃とは性質の異なる力を砕けた肋骨から感じ、モルズメジキはワナワナと震える指をレイに向ける。


「聖属性と暗黒属性を操るだと? あり得ん! 第一、女神の使徒が暗黒属性など――」


 キュィーーーン


 いつの間にか取り出していた『魔導砲』を構え、レイは聖属性の魔力を砲弾に込めていた。


「ごちゃごちゃうるせー骨だ」


 即座に引金を引き、魔導砲を発射するレイ。 


「ま、待――」


 眩い光が一直線にモルズメジキに向かう。至近距離からの魔導砲の直撃。モルズメジキは散り散りになって消滅した。


「悪魔より大したことなかったな」


 周囲を見渡し、残骸が残ってないかを確認したレイは、そう呟いて夏希に向き直す。


『あれは悪魔ではありんせん。不死者の上位種族でありんす』


「もうどっちでもいい。それより、アレだ」


 レイの視線の先には拳を構え、立ち上がっていた夏希がいた。


「さっさと鎧を引っぺがして回収する」


 腕の鎧の隙間からは血が滴り落ちている。装着者の肉体が限界を超えて損傷している証拠だ。あの様子では、中の人間の腕はズタズタになっているだろう。生きているかも怪しいものだった。


『JKノキテイルモノヲヒキハガスナンテ、ハンザイデアリンスヨ?』


「JK? ……こいつもごちゃごちゃ煩い奴だ。中身を殺して魔法の鞄に入れちまうのが一番手っ取り早いな」


『ナツキハシナナイワ、ワッチガマモルモノ』


「現在進行形で殺してんだろうが。有難いことに、な!」


 レイは素早い体移動で夏希に接近すると、再度掌底を夏希の胸に当てて気を流し込んだ。


 がふっ


 夏希の口から再度血が噴き出す。本来、人体を破壊する程の『気』を流し込むことは人間には不可能だが、レイの身体は女神の作った特別製だ。常人を遥かに超える『気』を練ることができ、人体を破壊する十分な威力がある。


 あらゆる物理、魔法攻撃を防ぐ性能があっても、万物に宿ると言われる『気』の波動を止める機能は鎧に無かった。


『ヤメルデアリンス! クヅリ! ワッチノナツキノホウガ、イイデアリンス! コッチニクルデアリンス!』


 鎧はレイの腰にあるもう一人のクヅリに呼びかけた。


『レイの方が強いでありんす』

『ナツキハ、メスデアリンスヨ?』


『……』


『リュウノコヲウマセルナラ、ダンゼンナツキノホウガイイデアリンス』


『……』


「おい、クヅリ。オメー何迷ってんだ?」


『ままま、まさか! 誤解でありんす!』


「裏切りやがったら、叩き折って亜空間に捨てるぞ?」


『コワイデアリンスネェ~』


「オメーは黙ってろ!」


 既に中の勇者、夏希・リュウ・スミルノフは脅威では無い。レイはどのように鎧を奪うかを悩んでいた。手に入れても反発されるのであれば意味が無い。『魔黒の甲冑』は手に入れたいところだが、鎧自らが意思をもって動いているのは想定外だった。


「おい、クヅリ。何か方法は?」


『……無いでありんす』


「なら勇者だけでも殺しておく」


 レイは半身で夏希に組み付き、大外刈りの要領で夏希の膝裏を蹴ると、膝がくの字に曲がり腰が落ちた夏希を仰け反らせて兜を両手で掴んだ。


 そのまま首を捻じ切ると同時に背骨を折るつもりで力を入れるも、鎧は両手でレイの腕を掴み、無理矢理立ち上がろうと必至に抗う。


「無駄だ。その体勢で無理に身体を動かせば、中の人間は無事じゃ済まん。まあ、中の人間を苦しめて殺したいなら止めんがな」


『ワカッタッ! コウサンスルデアリンス! ダカラ、ナツキダケハタスケテクンナマシッ!』


「それは聞けない相談だな。勇者は始末する。お前はその後、魔法の鞄行きだ」


 レイは力を緩めることなく、身体強化をもう一段階引き上げた。


『ワッチノコトハスキニシテイイデアリンス! ナンデモイウコトヲキク! ナンデモスル! ダカラナツキダケハッ!』


「……」


 レイは無言で兜を掴む手に力を入れた。


『ナツ――』



 バキッ

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