第24話 報復は好きですか?

 兵隊がこちらに向かって、突撃してきた。


 うん……。


 兵士さん達は何も悪くないけど、敵には一切の容赦はするつもりがないからね!


「では、気合を入れて! スキル! ゴミ召喚! 超広範囲!!!」


 僕が見つめていた兵隊のに大量の、ゴミを召喚した。




「う、うわあああああ」


「く、臭いいいいいい」


「ご、ゴミがあああ、臭すぎるうううう」




 ふふっ、『ゴミ』の本当の実力を舐めたらいけない。


「では、次は、粗大ゴミのメテオ・ストライク!!!」


 え?


 メテオ・ストライクって、何かって?


 能力『賢者』を授かった者が最終的に辿り着く必殺の魔法で、何と、上空に大きい『石』を召喚して落とす究極魔法だよ。


 僕はそんな魔法が使えないが……。


 兵隊の五十センチくらい上に、粗大ゴミを召喚した。


 粗大ゴミ達は、そのまま重力に引かれ、落ちて行った。


 あちゃ……兵士さん達、痛そう。



 ――高原には、兵士さん達の悲鳴に包まれた。




 ◇




「ぷはははは~! すっくりしたあああ!」


「クハハハハッ! 儂も久々にすっきりしたわい」


「くっくっくっ、アレクくんの究極魔法も面白過ぎだよ~」


 ふふっ、どうだ!


 これが僕の新しい力、ゴミ召喚の本当に力さ。


 この右手が疼く、ゴミを召喚しろと――――。


 あたっ、リグレットさん!


 叩かないでください!


 ちょっとだけ、調子乗りました、ごめんなさい。




 兵士さん達が逃げて行くけど、その中、最もれた豚も必死に逃げて行った。


 領主アブ・ノルマル。


 でも、これで終わったと思わないでね?


 シーマくんを拉致した事。


 ヴァレン町を襲おうとした事。


 絶対許さないからね。


 こう見えて、僕はねちっこい性格してるから、報復は――――とことんやったりますよ!!



 あれ? みんな? そんな引かないでよ。




 ◇




 領主アブ・ノルマルが自分の屋敷に逃げ入るのを確認した。


 屋敷ではそんな領主の姿にメイドさんなのかな? 女性の数人から叫び声が聞こえた。


 くっくっくっ……この疼く右手を――


 あたっ、アイリスちゃん、今いいとこなのに、遊ぶなって叩かないでよ。



「では、追い込みと行きましょうか! ゴミ召喚! 『生ゴミ地獄』!!」



 僕のネーミングセンスに、周りのみんながクスクス笑っている。


 いいじゃないか! ちょっとくらい!



 領主アブ野郎! 地獄を見るが良い!


 領主の屋敷の上から下まで、臭い生ゴミが沸き出た。


 屋敷からは多くの悲鳴が鳴り響いた。


 それもそうだよね。


 こんな地獄のような事が起きるなんて、誰も考えた事ないよね。



「では、最後! 究極魔法! ゴミ流星群メテオ・ストライク!!!」



 屋敷の上空五メートルに、大型粗大ゴミを複数召喚した。


 粗大ゴミはそのまま自由落下を始めた。



 悲鳴が聞こえる中――――


 ギャザー町に大地を揺らす音が響いた。



 ゴゴゴゴゴォ――――



「たまや~~~」


「アレク、それ何?」


「え? 良く分かんないけど、何となく言いたくて?」


「ぷぷっ、何それ」


「それにしても……屋敷がゴミのようだわ」


「そりゃ……アレクがゴミ・・まみれにしたからね」


「ふん! 自業自得だっての~」


「そうね」


 僕達はみんな崩れてゆく領主の屋敷を見ながら大笑いをした。




 そんな僕達の後方から僕を呼ぶ声がした。


「アレク!」


 ああ、良く聞いた声だ。


 待っていたよ。






「ピエルくん」

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