第6話 レベル2ですか?
- 能力『ゴミ箱』のレベルが上がりました。-
うおおお! 遂にレベルが上がったよ!!
半年も掛かった!
次はどんなスキルを貰えるのかワクワクする!
- 能力『ゴミ箱』のレベル2により、スキル『クリーン』を獲得しました。-
〈ステータス〉――――――――
能力 - ゴミ箱lv2
体力 - E
魔力 - C
力 - D
素早さ - D
精神力 - A
運 - SS
[スキル]
ゴミ収集
クリーン
―――――――――――――――
おお~!
新しいスキルを貰えたよ~!
『クリーン』って何だ??
初めて聞くスキル名だね。
◇
「新しいスキル獲得したんだけど……、『クリーン』ってスキルだった」
僕は仲間であるアイリスちゃんとピエルくんとシーマくんに現状を報告した。
「『クリーン』?? 初めて聞くスキルだね」
「う~ん、最初はゴミ収集だったでしょう? 次は何だ……??」
「収集の次か~燃やすとか?」
燃やす??
「ゴミって集めたら燃やすだろう?」
おお~、確かにね!
もしかして――――このスキルって火魔法だったりするのかな!
ワクワクしてきた!!
「そうしたら、すぐに試しに行こう!!」
◇
僕達は秘密基地の裏手にあるゴミの山に来た。
ここなら火魔法を使っても目立たないだろう。
これで火魔法が使えたら……みんなを
アイリスちゃん達は燃えそうなゴミを一か所に集めた。
倒木の破片とか色々燃えやすそうだね~。
「アレク~、集め終わったよ!」
初めての火魔法を使う緊張感から、僕は精神統一をしていて、アイリスちゃんの声で目を覚ました。
――――ふふふっ、遂に僕も魔法が使えるのだ!
「では、今から新しいスキルを使うぞ!」
「おう! 火魔法めちゃ楽しみだな!」
――――ふう。
「――――――――、スキル! 『クリーン』!!!」
……
…………
………………
あ~この感じ何処かで経験した事がある気がする~
「なあ、アレク」
「――――みなまで言うな。分かっている」
「分かっているじゃねえんだよ!!」
僕はピエルくんのいつものドロップキックで飛ばされたのであった。
◇
「マイケル爺さん!」
「ほうほう、どうしたんじゃ?」
「実は――僕レベルが上がって、新しいスキルを手に入れたの」
「ほう! 遂にレベルが上がったのか~速かったの~」
「え!? 半年も掛ったのに早いの?」
毎日あんなにゴミ収集頑張って、漸く半年かかったのにな~
「アレクや、他の――例えば、能力『剣士』を授かったモノが、レベル2になるまではのう、毎日剣術の稽古を五、六時間行って三年はかかると言われておるのじゃ」
「三年!?!?」
思っていた以上にかかるんだね……。
「それに比べりゃ、半年なんて早いもんだわい」
「うん、確かにそうだね」
「まあ、あれだけ『ゴミ』を収集して貰ったからのう~アレクや、まずありがとうじゃ」
「ううん! 僕を受け入れてくれたこの町のために、出来る事なら何でもするよ!」
僕は誇らしげにそう話した。
本当にそう思っているけどね!
「でも火魔法は使えなかったけどね~」
くっ、アイリスめ……いつも良い空気を壊しにくる。
「ほぉ? 火魔法かい?」
「うん! 今日アレクが新しいスキルを覚えたから、色々考えて火魔法だろうと自信満々に行ったのに――ぷぷっ、また何も起こらなかったんだよ」
「もう! 絶対火魔法だと思ったのに!」
ぐぐぐ、アイリスめ、覚えてろうよ! いつかぎゃふんって言わせるからな!
「それで、スキルの名はなんじゃ?」
「うん、『クリーン』と言うんだけど……」
「ふむ、聞いた事ない名だのう……」
「マイケル爺さんも聞いた事ないのか……」
ヴァレン町一番の物知り爺さんのマイケル爺さんが知らなかったら、もうお手上げだね。
「うむ、何となく、綺麗な響きじゃの~」
「綺麗?」
「うむ、『ゴミ』というのは汚いモノだからのぉ、それを収集したら、次はキレイにしたいじゃろう?」
おお~、確かに言われてみれば、屋敷では『ゴミ』を捨ててからちゃんと『掃除』していたっけ。
『掃除』か……。
僕はおもむろに、アイリスに向かって唱えた。
「――――――スキル、『クリーン』」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます