第4話 夏 関係

 あの日から何度か2人だけのデートを重ねて、仲間達との集まりも顔を出してもこの関係を表沙汰にはしなかった。

 唯一、友人にはそれとなくは伝えたがはっきり付き合ってるとは言えなかった。


 気持ちは伝えた、抱きしめられたし、キスもした…けど、言葉好きの返しは彼からもらえていないから。

 会うのは彼から電話がきて、「今日時間空いてるけど?」「〜時から2時間くらいなら会える。」とか夜の数時間〜朝方陽が登る前に限られてた。

 そんな関係が少し前に進んだのは告白をしてから2ヶ月後…その日もいつものように彼からの電話を受けて、待ち合わせのT字路街灯下で待っていた。


 線路沿いで細い路地の少し暗い街灯下、月明かりと星を眺めて彼を待つこの時間が高揚する気持ちを落ち着かせるのには丁度いい。

 車のライトが路地の奥で光って徐々に大きくなってこちらに近づいてきて、ライトの眩しさに目を細めつつ目の前で止まる車の助手席側に回ってドアを開けて乗り込む。

 いつもと同じように国道を走りながら、目的地もなくただ走る車の車内ではハンドルを片手で持つ彼の反対側の腕に体を寄せて、自分の腕を絡めて手を繋ぐ。

 

 特に会話はない。でも嫌じゃない。彼に寄り添って、彼の温もりを感じられてるそれだけで心が満たされるから。

 

 しばらく走り続けてた車がどこかのビルの駐車場に入った。

 駐車場に車を止めて、シートベルトを外しながら彼が「ちょと休もう、おいで。」と車を降りるように促されそのままビル入り口に向かった私の視界には /宿 と表記された看板が見えた。


 別に生娘でもないし、こういう場所ラブホだって初めてでもない。

 なのに、もの凄く緊張する。バスルームから聞こえてくる水音が余計に心音を酷くする。

 看板を見てから呆然としたままで、彼に手を引かれるがままにあっという間に部屋の中に着いていた。

 

 部屋はな感じではなく、シンプルな作りで、ベッドも丸型や回転、カラフルなライティングのような設備はなさそうだった。


 部屋を見回すことで落ち着こうとしていた矢先にテレビ台の横の棚スペースに小型冷蔵庫と販売機大人の玩具類を見つけてしまい落ち着き始めていた心臓が再び激しく鼓動した。

 さまざまな想像妄想が一気に頭の中を過り、ソファーの上で悶えているとバスルームでの音がなくなっていて、ゆるくバスローブを着た彼が濡れた髪を拭きながら出てきたところだった。


 「…んっ はッぁ まっ ぁってぇ…っぅ。」

 彼と入れ違いにバスルームに入って、出てきた途端に抱き上げられてベッドに傾れ込みながら口をキスで塞がれて、抵抗しようにも既に濃厚なキスで口内を蹂躙され、酸素が足りなくて頭が回らない。

 すでに彼の手は私の体のラインを辿り、胸や秘所に伸びていて快感を引き出されていき抵抗する力が入らなかった。



 

 

 


 



 

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