第27話


季節は冬になり、私たちは岐阜県のスキー場に来ていた。

スノボードとスキー、どちらかで選択ができた。

そこで私は、スノボーを選んだ。

イメージ通りたが、パリピ達もスノボー選んでいた。

なので、もうちょっと考えて選べばよかった。

と、少し後悔したスノボーだけれど、思いの外楽しかった。

全くの初心者なのだけど、割と上手く滑れた私は、パリピ達に馬鹿にされることなくその時間を過ごすことが出来た。

そして、ゲレンデこら宿泊する宿への帰り道、ボードを両手にぞろぞろと、細い階段を下っていた。

ボードは小柄な私には結構重くて、のそのそゆっくり自分のペースで、階段を降りていく。

すると、前列にいた同じクラスの男子が「持ってくわ」と、言って私のボードをひょいっと持ちあげた。その子はクラスの支配者の女子達と仲のいい男子で、前に梓依華ちゃんに告白した男子だった。

「ありがとう」

私はそう言いにっこり笑った。

彼は梓依華ちゃんを好きになった人なだけあっていい人なんだろうなぁ。パリピ女子達とは仲良くても人に流されたりしないちゃんと自分を持っている人だ。


岐阜県が学校に着くまでのバスの中、話し声が聞こえてくる。

「○○さんさぁお風呂で裸見たけどめっちゃデブだったよ笑」

そう、話を切り出したのは、パリピ女子だった。

「まぁあれはなぁ、見なくてもわかる」

それに対して男子が反応する。

「あとさぁ、真城さん、、、」

私の名前を出して、あっと思ったのか声が止まった。

少し間を置いてさっきより小さな声で、

「めっちゃ胸大きかった笑笑」

サイテー。普通人の身体のこというか?

言われている本人がコンプレックスを持っているかもしれないのに。

みんな人それぞれ身体に違いがあって当たり前だろう。

こういう悪口を言って、その場を盛り上げようとする奴、低レベル過ぎて笑える。

それしか話すことないのか。

きっと、どういう形であれ、こんなやつには報復が待ち受けている。

そしたら案の定、他のクラスの子が彼女の身体の悪口を言っていてやっぱりな。って思った。


だから私は他クラスの子が言っていた悪口を聞いた後、彼女たちが教室にいるときにわざと彼女たちと近い席で梓衣華ちゃんと昼食を食べ、彼女達にも聞こえる声で、

「なんか修学旅行の時にさ人の身体の事で、悪口言ってる人がいたんだよねー。そういうのってよくないよね?身体にコンプレックスか抱えてるかもしれないのに。」

「そうだねぇ、よくないね。てか沙梨華ちゃんいい子だねぇ」

パリピ女子が会話を止め、こちらに話を聞こうとしているのがわかった。

そして、私は話を続ける。

「そういうこという人って、その内自分に返ってくるだろうなって思っとったけど、案の定他のクラスの子に身体の悪口言われてた」

「あー、そうだねぇそういうもんだよね。」

「なんか、、ザマーミロって思った!」

私はそう言い、馬鹿にしたように笑った。

「沙梨華ちゃんってさぁ、時々怖いよね」

ごめん、梓衣華ちゃん。梓衣華ちゃんがもっと怖がりそうなことしてる。

私の真意に気がついていないかもしれないけど。

それから、パリピ女子引き攣った顔を横目で確認した私はとっても満足したのだった。

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