第19話
文化祭当日。
私は殆ど活躍することなく、その日を迎えた。
出し物は何かしらの模擬店だったと思う。
関わらなさすぎてほんとに記憶が無い。
陽キャラ女子以外は皆出し物で接客することなく、午前の部が終了した。
昼食を済まし、午後になると私と梓衣華ちゃんはクラスから解放され、自由の身になった。
「どこ行きたい?」
梓衣華ちゃんがパンフレットを持って、私に聞く。
「うーんお化け屋敷行きたい!」
梓衣華の持つパンフレットを覗き込んで私が指を指したのは1年生の普通科の方だった。
そのお化け屋敷は人気があるらしく、列ができていた。
けど、お化け屋敷と言ってもひとつの教室の狭い空間だけで作られているので、受付まで来るのに時間はかからなかった。
「はぁい、2名様ですね〜。どうぞっ」
と、血糊のべったり着いたら包帯を腕に巻つけた女子生徒が私達を教室へと促した。
その受付の子が、、
「梓衣華ちゃん、受付の子めちゃくちゃ可愛いね!」
肌が白くて、黒髪は首元でふわふわ。大きい目に小さな顔。リボンのカチューシャがよく似合っていて、白雪姫みたいだ。
「そうだね、でも私は沙梨華ちゃんの方が可愛いと思うよ」
ずっきゅーん!
もう、発言がイケメンすぎて、、、。
お化け屋敷に入った私は、梓衣華ちゃんの腕にしがみついていた。
けど、足を進めるにつれ、そこまで身構える必要は無いと感じた。
所詮は生徒達が作ったお化け屋敷。
全然怖くなかった。
私はそっと、梓衣華ちゃんから腕を離した。
次の瞬間。
「ぎゃあああああああああっ!!!」
何に驚いたのか、梓衣華ちゃんは叫び出すと、ダッシュで出口へと走っていった。
もう、なんて言うか本当に絵に描いたようなリアクション。両手バンザイして、猛ダッシュだから。笑笑
取り残された私、梓衣華ちゃんの反応が面白すぎて、お化け屋敷なのに大爆笑して出口に向かうことになるのだった。
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