第14話
梓衣華ちゃんの行動のお陰で、菅原くんのストーカー行為は収まるはずだった。
けど、収まるどころか更に酷くなってる気がする。
既読にすらしていないのに、連投で、LINEを送ってきたり、酷いときは家まで来た。
誕生日プレゼントを渡しに。
流石に我慢できなかった。
「菅原くん、ちょっと話したいことあるんやけど。」
私は、気がついたら自分の感情に任せて、菅原くんに声をかけていた。
人気のない体育館裏に私は菅原くんを連れていくと、深呼吸をし、彼の方へ向き直った。
「あのさ、ストーカーみたいなことするのやめてくれる?」
「ストーカーなんかしてない!」
「じゃあ、行き帰りのバスの時間がズラしても一緒になったり、返信もしてないLINEを一方的に送ってきたりするのはなんなの?この前なんか家にまできていらないプレゼント渡して!」
「いらないってなんだよ!」
菅原くんは怒鳴ると、私をフェンスに押しつけた。
不味い。私が失言したことによって、菅原くんは激高してしまっている。
「こんなに好きなのになんでわかってくれないんだよ!?」
そう言って、私の両腕を抵抗できないように拘束した。
もう、抵抗することも私にはできなくなっているのに。
彼に怒鳴られて恐怖を感じてしまった私の身体は動かなくなっていた。
「ひっく」
何たい訳じゃないのに涙が出てきた。
ダメだ、泣いたりなんてしたら、自分が弱い人間だと悟られたくないのに。
力いっぱい掴まれた両腕が痛い。
「どうして泣くの?俺泣かせたかったわけじゃ、、」
菅原くんは私の予想外の反応に動揺していた。
拘束していた手の力も緩んでいる。
逃げる隙ができたというのに私の足は震えたまま動かない。
そして、カタカタと震えていた足は、身体を支えることも出来ず私はその場に力なく座り込んでしまった。
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