第8話

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テスト期間に入り、私達はテストに向けて勉強しなければならなかった。

高校に入るまでまともに勉強したことがなかった私だけれど、これからは1からのスタートになるから、真面目に頑張ろうと思っていた。

なので、授業も真面目に聞いて、のーとも丁寧にとった。優等生だと思われる努力はしてきた。

まぁ、この学校の優等生だと認識されるラインは、大分低いのだけれど、、、。

努力はしていた。けれど、数学と英語は壊滅的だった。

授業を聞いても全く理解できない。というより、授業をまともに聞けていなかった。

何故かって私がノートを丁寧にとっている間に、問1、問2、と、授業がどんどん進んでしまい、授業を聞く余裕がなかったのだった。

ノートをとるのに精一杯で、気がついたら授業が終わっていた。なんてことも多くあった。

本当に数学と、英語どうしようかなぁ。

「はぁ、、、」

帰りのホームルームが終わってすぐの、少し騒がしくなった教室で、私は教科書を鞄にしまいながら、深くため息を吐いた。

「どうしたの?」

私のどんよりとした雰囲気に気がついた梓衣華ちゃんが私に話しかける。

「テスト勉強って順調?」

「うーん、バイトもあるしそんなにかなぁ」

「そっかぁ、、」

でも梓衣華ちゃん授業中当てられても、答えれてるし、絶対頭いいよね。そんなに勉強しなくてもきっと赤点なんてとらないんだろうなぁ。

「私、英語と数学が全然出来なくて、勉強とか教えてくれたりしないかなぁ?」

きっと忙しいから無理だろうなぁ。

なんて思いながらも、ダメ元で聞いてみる。

「いいよ!今日はバイトないし、沙梨華ちゃんが予定なければ全然教えるよ〜。」

「本当!?ありがとう!!」

「いいよ〜。バイトある日は帰りのバスの中だったら教えれるし〜。」

えぇ??そこまでしてくれるの?

私は思わず、梓衣華ちゃんに抱きついた。

「ありがとう!!梓衣華ちゃんは私の救世主や!」

「えへへへ〜」

と、梓衣華ちゃんが鼻の下を伸ばして不気味に笑うのを私は見逃さなかった。

その顔は、どんな感情のなのだろうか。笑


それからのテスト期間は勉強三昧だった。

放課後の教室や、帰りのバスの中で、少しずつ分からないところを教えてもらい、家に帰ってからも忘れないように復習した。

テスト前1週間を切ると、何故か私に勉強を教えるメンバーに菅原くんも加わり、私は2人に勉強を教えてもらっていた。

梓衣華ちゃんは、勉強を教えるのが上手だった。

頭の悪い私にも丁寧にわかりやすく説明してくれた。学校の先生とか向いてるんじゃないかなって思ったよ。

一方、菅原くんは、教えるのが苦手なようだった。

梓衣華ちゃんに「それじゃあ分かりずらいよ!」と、指摘されては分かりやすく凹んでた。笑

そして、2人の協力のお陰で私は試験を乗り越えることができたのだった。

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