第2話 この世の掟、その真実

天に浮かぶその姿は、まさしく天使、その物だった。

金髪の顔は妹とは対照的に大人びてそして明らかな殺意が浮かんでいた。


「おや、彷徨う者、、か。珍しい来客とはいえ排除以外の道は無い。選べ、刺されて死ぬか切られて死ぬか」


「お前は誰だ」


空に浮かぶ奴に言った。

が、


カァン

金属音が鳴り頬を掠めた刃が地面に突き刺さる。


「誰、と聞いたな?我が名はルシファーこの世の中で最も権力そして力を持つ女神その1人。我に殺されることを嬉しく思え」


ルシファーが手を振り下ろすと共に幾つもの閃光が高速で飛んでくる


「キャァー」


妹が叫んだ、


《その時》


光線が突如現れたシールドによって弾かれた。


「たわけ、貴様が女神?笑わせるな。貴様はこの世で最も薄汚れた3大堕天使その1人。アホを抜かすな。この我創造神ホロアクティの前で大人しく死ぬが良い」


「貴方は?」


妹が咄嗟に聞く。


「さっき言ったであろう我の名は創造神ホロアクティ。この世の全てを創造した神である」


「ほう、ホロアクティ。貴方が出向くとは珍しいでは無いか。大人しくしていれば良いものを」


閃光を放ちながら言った。


「きさま、堕天使のくせして言うではないか。褒美として我の最高神器、

天十握剣、その一閃を喰らわしてやろう」


ホロアクティが魔法陣から取り出した禍々しい紫の実体の無い剣。

それを見せた途端ルシファーの顔が少し引き攣り急に攻撃を止めて背を向けて言った。


「天十握剣、、少し部が悪いか。ではまた」


そう言うと共にルシファーが音もなく消えた。


「「ありがとうございます」」

      ・・・・

「礼はよせ。たまたま通りかかったとこに貴様がいたまでの話よ。ふん、、貴様異界の者か。何しにきた」


「気づいたらここにいた、、そう言えば来る時あっちの世界がこう、、割れた?と言うか、、、」


「ならば意図してきた、と言う訳でも無いのか。恐らく貴様らの世界では時空震が起こったのだろう。恐らくはこちらの神界の歴史の歪みが原因だろうな。詫びついでに1つ教えてやろう」


ホロアクティが1つ、小さな魔法陣から小さな本を取り出して言った。


「貴様らの世界に住む人間は今は貴様ら以外は死んでいる、いや存在しなかった事になっている、と言った方がいいだろうか。貴様らの世界とこの世界は時間と枝が異なるだけで元は同じ物だ。こちらの世界で起きた事はそっちにも影響が出る。それが今回の元凶、ともいえよう」


枝?よくラノベで見る世界線、てとこか?

つまりはこの世界は壊れた世界の過去のもう1つのルート、と言うことか。


「どうしたら前の世界を直せるんだ?」


「直す?貴様がか?はっはっは。貴様ら如きが世の歴史の改変などできるわけなかろうに。だが、面白い。1つ協力してやろう。そうだな、世界を修復するには幾つかの分岐点、ブランチポイントを改変する必要がある、とだけ教えよう」


そう言うと、一冊の本を投げ渡して言った。


「この本にブランチポイントを記載した。南に行けば人間の村がある。そこに行け。そうしたらその先は自分で考えろ。せいぜい俺を楽しませろ」


一瞬魔法陣が現れたかと思うと音もなく消えた。


「はぁー。状況が、理解できん、、、、」


「私も」


深いため息を吐きながらも、俺たちは話し合った結果南へと足を進めた。







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