神話と言う異世界の中で
ルブブ
第1話 さあ選べ、刺されて死ぬか切られて死ぬか
世界には理がある。
その全てが定められたその時、世界は大きく変わり、そして今壊れていった。
暑苦しい夏にふと思う、冬がいい、と。
だが冬になれば夏がいい。そう思ってしまう。
人の世界という当たり前はこの日で朽ちた。いや、生命と言う存在のある世界でさえも。
謎の災厄により、世界は壊れた。
2029年5月6日
賑わっていた街は少しずつ、そして速やかに壊れていった。
時空が歪むように、ガラスが割れるように、物が割れ、消えていく。
己の体でさえも、それが全ての始まり、終焉の始まりだった。
意識は消えて遥か遠くへ————
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「直兄、直兄。起きろ」
視界に女神が映った。銀髪の少女の女神が。
何だったんだ?さっきの。
「ああ、俺死んで天国に、、、安らかな人生だったなぁー」
バチッ。
突然頬に叩かれたような痛みが走った。
痛み、、痛み!死んでいたら痛みって感じるのか?
「そうか、俺転生したん、グホッッ」
腹に追撃を喰らいうごめく。
目覚めたばかりとは言え、この 引きこもり高校生の王ともあろう物が不覚にも攻撃を通してしまうとは、情け無い、、。
「起きろバカ」
うん?声が聞こえた気がしたが気のせい気のせい。
スピード控えめ威力強めの、強力なチョップをデコに受けてなおこの主人公補正を生まれ持った俺は(ギリ)耐えて見せた。
少しずつ痛みが引くとともに映るその景色を見て驚いた。
「妹よ何故ここにいる?」
銀髪、幼い可愛らしい顔、見間違えようも無い、妹の顔だ。
若干、と言うかかなり語尾がカッコつけた感じでそう言った。
「バカ兄はさっさと起きろ」
完全にそのノリをスルーされた。
ハートポイント
グスンっ。俺にも、心という名のHPがあるんだぞ?
べしっ。もう一回叩かれて飛び起きた。
「っってー。あのーもう少し威力を下げてもらうことってー、、」
そう言いかけた時我が妹ことカナメは謎に照れながら言った。
「む、、り」
ライフポイント
そうか、、無理か。俺のLPが残り半分になってるのに、妹という暴力は恐ろしい。(この場合、比喩でもなんでもなくマジで暴力)
「いや、、良いんだお前が生き残ってくれるのであれば、、、」
フッ。これは決まった。
これで俺のHPは全回復!
「ださっ」
ださっ。その言葉は俺の脳の中、いや、全身でこだまするように響き、俺の残りのHPを持っていった。
「ところでさ、ここ、、何処?」
話題を逸らそうとしたわけでもなくただ単純に気になった。
さっきまで蒸し暑い部屋の中にいたのに今は砂漠。
「兄も分からないの?」
サバイバル
首を傾げるその銀髪の女神は、生き残るために最も需要な現在地を知らない=詰んだ、と言うことを伝えた。
「はぁーーー。さっき街が壊れて?そのあと気づいたら砂漠で夏休み満喫してました?訳わかんねえ」
「兄、、、ただ、、一つ分かることは、ここはもう前と、、は別の世界って事」
ビクビクしながら指を指す先にいたのは、大きな魔法陣を浮かべた点に浮かぶ金髪の女騎士だった。
「おや、彷徨う者、、か。珍しい来客とはいえ排除以外の道は無い。選べ、刺されて死ぬか切られて死ぬか」
剣先を向けるその姿には紛れもない殺意が浮かんでいた。
【次回:この世の掟、その真実】
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