燃ゆる瞳、凍える心3

焔の赤い炎が燃え上がって、柊の冷気を打ち破った。


「お前も、炎の力を持っているのか?」 俺は驚きを隠せなかった。


「フフッ。俺の名前はひいらぎ。そして、そうだ、俺も炎を操る。だが、俺の赤い炎はお前とは違う。お前が青や緑の無駄な力を使って、俺は破壊に特化した赤い炎だけを磨き上げてきた。」


柊はその言葉とともに、手のひらに巨大な赤い炎を繰り返した。 その炎は私のものとは違い、圧倒的な熱量と力強さを感じさせる。力だった。


「私の炎に太刀打ちできると思っているのか?」 そう言って、柊は大きく振りかざすと、巨大な火柱が俺に向かって放たれた。


「焔!」望が横から叫ぶ。俺はその声に反応し、全力で自分の赤い炎を振り絞って防ごうとしたところ、力の差は明らかだった。


「どうした。お前の炎はこれで限界か?」 柊は余裕を見せるように冷笑を落としている。 彼の赤い炎は私の炎を優先し、ジジジと俺を追い詰めていた。


「俺は…まだ負けない!」 俺は頑張って頑張って必死だけど、膝が崩れそう。 しかし、望を守るためにここで倒れるわけにはいかない。


「もう逃げて!」望が怖がった声で叫んだが、俺は首を横に振った。


「俺は…逃げない。君を守るためにここにいる!」


その言葉に、望は驚いたように私を見つめた。彼女の瞳には恐怖が浮かんでいたが、同時に、決意が彼女の心に何かを呼び覚ましていた。


柊は冷たくて笑いながら、さらに赤い炎を加速させて俺に向けた。


その瞬間、望の目が決意に染まった。彼女は怖い手で拳を握りしめ、足元からほんの少し氷の冷気を感じさせる。


「私の名前は、如月 望!」望は恐れながらも、はっきりとその名前を宣言した。ずっと自分の力を恐れ、逃げることしかできなかった彼女が、今は確かな決意を持っている。


「反撃しかできない私だったけど…それでも、焔が私を守る姿を見てたの。私はただ反撃するだけじゃない。自分の力で、誰かを守れるって」


望の目は涙が浮かんでいた。 でも、それは恐怖や絶望からの涙ではなかった。 彼女は焔が、自分のために戦ってくれる姿を見て、心の底で凍りついていた何かこれまでずっと避けてきた「力」を、漸く自分の手で受け入れ始めていたのだ。


「…如月望、ね。」柊は冷たくて笑みを浮かべた。 「だが、君の力なんて何も変えられはしない。逃げるが勝ちだ。」


焔は、彼女のその言葉に驚いたように一瞬振り返った。彼女がここまで強い決意を持つことができるなんて、思ってもみなかった。


「…望、お前…」


「ありがとう、焔。あなたがいてくれたから、私は逃げずに立ち向かえる。」 望の目は真っ直ぐ焔を見つめていた。


そして、望は静かに目を閉じ、手を広げた。 彼女の指先から、ゆっくりと氷の冷たさを意識しつつある。 しかし、今までのそれは違う。 攻撃ではなく、守るための力――彼女が自分を受け入れたことで生まれた新たな力だった。


「この力で、私はあなたを守る。焔、私に力を貸して。」


「もちろんだ、望。君がいれば、きっと勝てる!」


焔の赤い炎と、望の凛とした氷が交わって、二人は力を合わせて柊に立っていました。


「ふん、二人でかかってくるというのか? でも、君たちの途中途中半端な力では俺には勝てない!」 柊の手の中で赤い炎がさらに巨大化、破壊力を解放とうとしていた。


しかし、その瞬間――望の氷の力が、炎の炎と共鳴し、赤い炎を包み込むように守りの結界を作り上げた。


「これが…お前の力か?」 柊は驚愕した表情で後退した。


「そうだ、俺たちの力だ。」焔は静かに言い放ち、望を見つめた。


「ありがとう、焔。これが、私が探し求めていた力…自分の力を守り、誰かを守る力なんだ。」


その瞬間、柊は一歩後退し、冷たい笑みを浮かべながら言った。 「今日のところはこれで終わりですが、また会う時を楽しみにしているよ… 暁焔、如月


そう言い、残した柊は静かにその場から姿を消しました。

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炎が心を照らす時、魂は轟く 天森 @amamori_tennsin

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