燃ゆる瞳、凍える心2

ヘッドフォンで世界を遮ろうとしても、人の声は容赦なく彼女に刺さる。


「お前らは!!彼女が傷ついているのが分からないのか!!」



俺は拳をぎゅっと握り締め、体の中にある赤い炎を感じた。攻撃の炎だ。 普段は自分でも抑えている力だけど、今この瞬間だけは真剣に考えはなかった。勝てるわけがない。


「おい、もうやめろよ」 俺は低く、鋭い声でそのまま言った。


男たちは俺に目を向けたが、特に気になる様子もなく、さらに望に嫌味な笑いを見ながら言い続けた。


「氷の守護者かよ?なに、炎でも出してくれるのか?俺たち、寒いから助かるぜ。」


その慎重な言葉に、私は抑え込んだ怒りを感じた。 ゆっくりと手を上げ、拳の中に熱が集まってゆく。 赤い炎が、掌の中で揺らめき始めた。次第に不安げな表情に変わり始める。


「なんだよ、それ…?」 一人が口を開く。


その言葉とともに、私の手の中に赤い炎が広範囲に、周囲を眺め始めた。


男たちのその光景を見た瞬間、思いついた。 最初は冗談だと思っていたんだけど、私の手から立ち上がる赤い炎を目に当てて、事の重大さに気づき始めたのだ。


「おい…やばい、こいつ本当にやるぞ!」男たちは後ずさりし始めた。


私は彼らに向けて少し手を動かし、床に小さな火の玉を放った。 火は終わっても足元で爆ぜ、彼らの視点を釘付けにした。


「逃げろ!」と男が叫ぶと、全員がその場から一斉に逃げ出した。


いじめっ子たちが公園の出口に消えゆくのを見届けてから、私はゆっくりと手をかけて録音、赤い炎を消しました。


彼女の瞳には驚きと感謝、そして少しの不安が消えているように見えた。


「ありがとう。でも、こんなに力を使ってまで…」彼女は言葉を探しているようだった。


「君が一人で悩んでいるのがわかってるからだよ。俺も、かつては同じように孤独だった。でも、今は君を守りたいと思ってる。」 俺は彼女の目をまっすぐに見つめて答えた。


望はしばらく沈黙していましたが、非常に緊張していました。彼女の中で、何かが少しずつ変わり始めているのを感じました。


いじめっ子たちが怖がって逃げ去った後、望はまだ不安そうなところを見渡していた。 俺は彼女の肩にそっと手を置いて、安心させようとした。


「もう大丈夫だよ。あいつらはいつも――」


その瞬間、隣から冷たい風が吹き抜けた。 不気味な気配が漂い、俺は振り返った。 そこには、いじめっ子たちのリーダー格と思われる男が立っていた。細長い体をしている。 眼鏡をかけた男の顔は無表情だったが、その瞳には冷酷さが垣間見えた。


「ふん、やはりお前がここにいたか、望。」男は低い声で話し始めた。


望はその声に反応して、瞬間に凄かった。


「こいつが…?」 私は望んでいましたが、彼女は小さく聞いていました。


「お前、いじめっ子たちを指揮しているのか?」 俺は男を睨みつけながら問いかけた。


「指揮というより…彼らは私の手駒にすぎないよ。 彼らが望に怯えないのは、私がいるからだ。 私の力が、彼女の氷など足元にも及ばないことを知っているからね」 「男は冷たく微笑んだ。」


手に手が動いた瞬間、空気が重く、冷たくなった。魔法だ――だが、彼の力は俺や望が持つものとは違う何かを感じさせた。な存在であることを、肌で感じた。


「さあ、どうする?私と戦う気か?」男は腕を組み、余裕たっぷりに俺を見ていた。


望はその場で立ちすくんでいた。 彼女にとって、この男の力は恐怖しかなかったのだ。 しかし、私は彼女を守るために一歩前に出た。


「俺は、お前には負けない。」 そう言って、俺は手に再び赤い炎を灯した。


「面白い…けど、君のその炎がどれだけ力を持っているか見せてもらおう。」


戦いの火蓋が切られた。


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