好きだったかもしれないな。
柊かすみ
好きだったかもしれないな。
世界はかつて小さくて、そこには隅も真ん中も隔てるものもなかったね? そんな世界を満たすのは、光り輝く鮮やかな、夢と希望と音楽と、そしてなにより僕と君! それだけでもう十分で、それだけでもう満足で。
いつの間にやら僕達は大きくなって、それぞれが異なる道を進んでく。かつて世界を満たしてた、光り輝く鮮やかな、夢も希望も音楽も、僕とは距離が空いていて。それだけでもう悲しくて、それだけでもう寂しくて。
君と会えない僕の朝。それは何かが足りなくて。広い世界の隅っこで、僕は怖くて震えてる。震えながらも詩を作る。作りながらも怖くなる。だって詩なんて、変じゃない? かっこわるいし、女々しいし、普通の人は作らない。
君はこんなな僕を見て笑うだろうか。……あぁだめだ。君が怖くて仕方ない。やっぱり僕は会えないな。僕達はもう別々だ。そうあるべきだ。さようなら。……最後に一つ、一つだけ、伝えさせてはくれないか?
「やっぱり僕は君のこと――」
好きだったかもしれないな。 柊かすみ @okyrst
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