第5話 性格と思考は表裏一体。
スピード型のガンナーの装備はハンドガンとすね、肘の4か所に防具。
攻撃方法は銃撃か打撃。
スピード型フェンサー対スピード型ガンナーの戦いでは、お互いに軽量で激しい打ち合いになり、コンボを狙うよりは、いかに相手の隙を突いて大技を放つかが重要になってくる。
――Ready,Fight!
合図と同時に二人が動き出す。
俺は、初め
実は、初めに違和感を感じたのは、
きっかけがわかると次々に違和感は蘇ってくる。今思えば
「…………ッ!」
開始の合図と同時に、
だが、一方的に攻撃を仕掛けられるほどの隙を
コンボできないと判断した、
一旦仕切り直して、お互いに相手の出方を
アケコンの操作音が止み、息づかいさえ聞こえない静寂が訪れる。
ほぼ同時に二人が動き出す。
先に攻撃を仕掛けたのはまた
SOCでのガードは、他のゲーム以上にタイミングがシビア。さらに、通常技ですらノーダメージで防ぐことはできない。その結果、ガードよりも相手の攻撃を避ける、回避を使う割合が高い。
それなのに、
最小限の被ダメージ量で抑えた
普段判断ミスの少ない
攻めているという感覚と手ごたえのない現実とのギャップから焦らせ。無理攻めを誘発させる。いい性格をした戦術だ。
そこからの、
同格のプレイヤーが戦ったとき勝敗を決めるものは何か。それはミスだ。
一度判断を誤ると
その後、
「私の勝ちね、伊波さん」
平然と
「…………ッ!もう……一回」
「もう一回よ!鶴岡先輩」
それは、天使の微笑みにも獰猛な動物の獲物を狙う目にも見えた。
「あのー、次は俺の番じゃ……」
俺がおずおずと発した言葉は完全にスルーされた。
「いいわよ伊波さん、何度でも捻り潰してあげるわ」
「勝手に言ってなさい」
「ハハッ、ハハハハハ」
「一度勝ったくらいでいい気にならないでほしいわね」
「フフッ、さっきまでの勢いはどこにいったのかしら」
「……もう一回よ!」
「もう一度するわよね?」「もう一回よ……ッ!」「もう一度」「もう一回」「もう一度!」「もう一回!」……
その後、
それでも、
「……なかなかやるわね、
「私も……あなたの、その相手が自分より強くても……上から目線を貫く態度だけは…認めてあげるわ」
「あんたは……、あたしの強さと胸を認めなさいよ……」
「伊波さん、まだそんなこと気にしていたの……。あなたどこまで胸でいじられたいのよ……」
ゲーム中の呼吸が浅くなっていた分、帳尻を合わせるかのように二人は息が切れ、ヘトヘトの状態だった。
「
「いいわよ」
「
「さあ、いつからかしら」
「じゃあ、なんで俺達にゲームが得意なこと隠してたんですか」
「ホントよ。いつからなのよ!」
「2つ目になってるけど、……まあいいわ。駆け引きかしら」
「駆け引き?」
「そう、私のゲーム観を真っ向から否定して、私により強くなる原動力を押し付けてきた人との」
俺達と関係があってゲームの上手な奴…………まったくわからん。
「あたしたちにゲームの強さを隠してたことがどう駆け引きになるのよ?」
「それはいずれ分かることよ」
「あらもうこんな時間、勉強会はお開きね。帰るわよ伊波さん」
「あたしは夕飯食べてから帰るわ」
平然と言った
「そんな突然言い出しても、あなたの分は用意されてないでしょう?」
「平気よ、さっき羽衣に聞いたら大丈夫だって言ってたし」
「そ、そんなこと言っても家にはご飯が用意されてるんじゃ……」
「大丈夫よ、いつものことだから」
「あなた恋人でもない男の家でその妹のご飯を食べておいて、い、いつもの……こと……ですって!」
「幼なじみなんだから普通でしょ」
「私、幼なじみキャラ嫌いなの。幼なじみなんて、ちょっと前から知り合いだったからって、図に乗って男のこと独占しようとしたりして、結局ぽっと出の女に男を寝取られる。一見哀れなヒロインに見えて、その実彼女持ちの男でも昔からの知り合いというだけで遠慮なく言い寄る最低のビッチなのよ」
「
「まあ、それはいいとして
「ちょっと、それどういう意味よ!?」
「それじゃあ
そう言って
◇◇◇
通知は丸校将棋部のグループからだった。ちなみに去年までに引退した先輩たちはすでにグループを退会していて、グループには
《
《
《
~1時間後~
《
《
~たった今~
《
俺は、そんなセリフとアニメキャラが土下座しているスタンプを送った。
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