第37話 『二流』

竜ズと別れて勇者をパーティーin


あの娘達は祭荒らしに行ったよー、きっとお腹がすいてたんだね、底なしぃー!


おう、不毛な会話が聞こえてきまっせ


『アァー、その刀はダメでござるぅー、持ってかないでくんろー、奇跡的に出会っちゃったんでござー、それに長年連れ添ったような愛着もあるでそうろう』


『出会っちゃたじゃねーよ、バカなの?、刀バカなの?、もっと大人になれよ、それにお前その刀今日祭の夜店で買ったばっかじゃねーか、昨日持ってなかっじゃん、いい刀だし、質行こうぜ! たんまり金になりまんがな』


『やめてけろー、けろけろんちょ!』


『誰だよ! けろけろんちょって! お前名前すら覚えてねーじゃんか、確かにB級冒険者でいい金づ・・、おっと、いい収入源なんたが、刀への執着がなー』


『ひどいでごさりんちょー』


勇者、勇者さんがインターセプトしました!


『すいやせん、兄貴、お手を煩(わずら)わせやした、かたじけねぇす、次からは気をつけてましゅ、ところで、握手してくだせぇ!』


勇者は大人気だなー


『ふぉおおー、これが真の漢の手かー! 『二流』テメーももう借りんなよ! もうぜってぇーかさねぇーからな、テメェの顔、ホワイトリストに乗ったからな!』



お前の実力を見せてけろー、けろけろんちょ!


あっさり勇者勝ったー! あんたどんだけ強くなるの?


酔っぱらいだし、しゃーないか


『くくっ、獰猛な虎が自ら足枷をはめて檻に入っておる、これほど滑稽なことはないのー、もぐもぐっ』


妾師匠チッース、チース


いつきたんだこれ。


ほら、ソースついてるから、ふきふき。


あんたもやで、青竜さん、ふきふきん。


それにしても、辛辣だなー、飯奢ってやるから許してたも、けろけろんちょ。




『それでも、それでも・・某(それがし)は刀を諦めることなどできぬでござるよ』




帰ってきたどー、楽しい食事の時間だ!


『アデルさん、美しいでござる』


やめろ、パムが睨んでる。


『たでぇまー、今帰ったよー』


ふぐっ


どした、どーした?


『なんて愛らしいでござるか、尊い、とぅとぃ』


こいつ、妹に欲情しやがった、認めんぞぉぉーー


見ろ、この凍りついた空気を!


『拙者の今まではこの為にあった!!

この刀はあなたの為にあり、あなたが振るう為に存在している、ぜひ貰ってくだされ、銘(めい)は金烏(きんう)、玉兎(ぎょくと)というでござる』


『ありがとー、うわぁー、スゴイ、スゴイ、名は烏丸(からすまる)ちゃんと兎丸(うさぎまる)ちゃんにしよぉーと』


わー、可愛い名前になったねー。


『大器である、拙者とは比べ物にならないくらい、まっことに可愛いので、ぜひ結婚して欲しいでござるぅー!』


『おじさんが私に勝てたら考えてもいいよー』


何か色々言ってるけど、あんたこのあとめっっちゃ説教されるからな、覚悟しとけよ!



『ぐすっ、だがらー、拙者は刀を捨てて今度こそ本気で挑むのでござるぅぅ』


あっさり捨てたぁー、前半のやりとりなんだったのー


『獣人というものは魅力的なメスがいたら、全力で自分をアピールせずにはいられないものでござる。しからば!』


土下座ぁー!


『恥を忍んで聞く、知っているのであろう?、拙者に教えて欲しいでござ、拙者が強くなる方法を!』



この後、『二流』は『蛮勇』に弟子入りすることになるのだが、決め手は『恋しちゃったから』だそうだ。



☆本日の裏設定☆

・竜ズ 満腹、満腹、祭を堪能しました。

・お財布 ついにHPがマイナスに! ちくせぅ。勇者師匠に借りたぞい! 頼れる漢だ!

・インターセプト パスカット、難しい。

・ホワイトリスト 憧れの人のだち、そんな人(やつ)に貸せねぇ、仁義に反しちまう、俺たちにはでぇっけぇー恩があるんだ。

・けろけろんちょ かえるさん、渾名(あだな)

・決闘場 ちょっと離れたとこ

・『二流』の実力 完成され過ぎている、伸び代がない、これ以上は壁をぶち破るか、膨大な修練(研鑽(けんさん))が必要 by 勇者

・家に帰る 転移符だよ、当然だ。

家に帰るまでが遠足(お祭り観光)です。

・パム 若い時分マムを倒した。

・獣人種 勘が鋭い。ここぞという時の決断力は凄まじい。彼らの恋愛観は『強さ』

・説教 マムの仕置き。長い、とても長い、反論は逆効果。堪え忍ぶべし。

・考えてもいい 体のよいお断り、本当に出来るとは思ってない。

・獣人種の美醜(びしゅう) 半獣人と完全獣人(ケモケモ)はお互いに判別できる。ヒューマンには無理。

ケモケモの年すら分からん、マジ分からん。

・恋しちゃったから そんなことを言われたら、プロポーズを決めた『蛮勇』は引き受けざるを得ない。

・『蛮勇』 当初はしぶしぶ受け入れたが、剣を捨てた『二流』がめきめきと頭角を現してきた為、修行と称して魔物狩り(自分の仕事)を押し付けた。その結果、子供との時間が増え、とても喜んでいる。

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