電車の中の死闘(黒歴史)

森 サガルとの死闘

その日はなんでもない日の夕方だった…そう奴に出会うまでは…森 さがる(仮)その日俺はいつもの電車に乗り家路に着く帰路だった後5分程で電車が発車する…そんな時だった電車の中には混んではいないが、席に座れない程度人がいた(まぁ座ろうと思えば座れたけどね)俺は、扉と座席の間、手摺りと手摺りの間におもしろい位すっぽり背中を預けた(笑)斜め左前に女子高生が座っているのが見えるまぁどうでもいいけど…。そうこうしているうちに若い(20歳位)iPodで音楽を聞いた男性が入ってきた、電車に、乗るなり鞄(オタクっぽい)を扉の入口中央に置き他の人が入りずらい感じにしている。まぁ最後尾だから誰も乗らないだろうが。俺は「いるんだよね~こういうK・Y」と思った、俺は心の中で彼のこと森サガルと命名した(以下 森)

不覚にも俺は森に前を取られ俺は森の後ろを取る形となった、しかし、俺の後ろには手摺りがあり、まさに背水の陣という他ない形となった。くしくもちょうどよく電車も発車し俺は森の先制攻撃を受けることになる。なんと森は電車の進行方向を向いており、電車の発車の振動で俺にジワリジワリと近づいてくるのだ、俺はその時自分でも不思議な位落ちついていた、まさに死をかけた時にみせる落ちつきだった。俺は焦らず周りを伺った俺と森の間は10センチ位まだ余裕がある、流石に近いがまだ余裕だ、俺は相手を観察した、首が思っていたより大分太い、髪は短く、思っていたほど背は高くない。これが「見る」ということか…そうこうしているうちに森が近づいてくる…5センチ3センチ…なんて森は足腰が弱いのだ!まさか…俺の存在に気がついていないのか!疑問は確信に変わり、森はどんどん近づいてくる。そして森の手と俺の肘が触れた、すると森も俺の存在に気がついたらしく、森は1歩前にでた、「助かった」俺は安堵の表情をした、しかし、その平和も長くは続かなかった、森はまた俺に背をジワリジワリと近づけてきた。「嘘だろ…」俺は小さく呟いた。俺はとっさに「見た」森の肩ごしに女子高生がクスクスと笑っていた…確かに客観的に見れば、森が俺に近づく姿、俺の嫌そうな顔、そして異常ともいえる二人の距離、何故か俺も笑っている、まぁ怖すぎて笑っちゃうみたいな…。そして俺は窓に目をやり、あと数秒で駅に着くと悟った、次の駅は人の乗り降りが多い、あわよくば森が降りるかもしれない、この数秒後期待は裏切られるのだが…。しかし他の人が降り、席が空き運よく森が座った。そして俺は数カ月ぶりに息を吸うかのごとく深く深呼吸し生きる喜びを噛み締め森を「見た」そして俺はこう思った「この人サワムラーに似てるなぁ~」と…。そして俺は再び笑顔を取り戻したのだった。

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