第10話 G

 敵は身内だけにあらず。

 次の大坪のエピソードを話す前に主要人物を1人紹介したいと思います。


 通称【G】。


 ゴ○ブリではない。

 何処のお店にも1人はいるであろう、迷惑客。クレーマー。

 いつもジージャンを来ていることからこのあだ名がついた。


 Gはポイントカードのポイントが3倍、もしくは5倍の日しかこない。

 ポイントにかける想いは強大で、執念と言う言葉の方が相応しい。


 チラシやホームページを随時チェック、完璧に把握。

 いざ来店すると新人を狙い何も知らないフリをして質問を投げかける。そして少しでもミスると怒り散らす。


 「これは3倍ポイントつく?」「こっちはチラシなのにこっちはチラシにならないの?」「会計を5000円にしたいから適当に商品減らして」


 と様々。最後の事にいたっては佐伯が商品を減らそうとすると


 「いや、それはいるから。後それもいるしそれもいる」


 と口出しする。なら最初から自分で選べよッ!と佐伯は思った。


 その他にもカゴいっぱいに商品をたくわえ、


 「これ全部で何ポイントつく??」


 と会計前から店員に計算をさせる。


 この前なんかは


 「この商品ないの?」


 と準社員の女の子に聞いたのでその人が


 「ちょっと見てきますね」


 と在庫を探しGの元へ持ってくる。と、


 「おぅ、出しとかんね」


 と店長かブロック長にでもなったかのような口ぶり。

 そして同じ日に別の社員の女の子を捕まえ、


 「このお米もうないの??」


 と聞くのでその子が持っていくと、


 「おぅ、出しとかんね」


 とまたもや店長気分。

 教えてくれるのは有難いが今までが今までなだけに正直ありがた迷惑である。


 人のイメージって大事である。



 時には店長と3時間にも及ぶやり取りがあったり、新人を見つけては自分が分かっていることをわざと質問するなどして恐怖を植え付ける。

 やってる事は正直業務妨害に近いがそのグレーゾーンぎりぎりを攻めてくるのがGである。


 そして次のエピソードでGと大坪が対峙する事となる。

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