第8話 新卒者にマウント??
2021年4月。この店にも新卒の正社員がやって来た。
名前は古葉さん。栄養士の資格を持つ期待の新人。
この店に栄養士が来ると決まった時、佐伯は少しゾクっとした。
元カノに栄養士がいた事がある。彼女は少しメンヘラで束縛系女子。
そんな彼女が追いかけてきたのでは……と佐伯は少し有り得そうな事を危惧していた。
が、そんな訳もなく普通の新卒者だった。
そして、新卒が来るとなったその時店長は、
「仕事は出来なくてもいい。普通の人が来てくれれば……」
と神にも祈る思いだった事は一部の人間しか知らない。
そして古葉さんがやって来て仕事を教えるのだが、その日古葉さんはトイレ掃除を教わるスケジュールが入っていた。
……みなさん、トイレですよ。
そう、教えるのは大坪です。
ちなみに、佐伯も大坪にトイレ掃除を教わったのだが、その時は時間がないとばかり思って物凄い早口の挙句口頭でしか言われてない状態でしか教わっていないが、デキる男佐伯はしっかり覚えた。
今思うとその教え方も佐伯が男だからという事と近づきたくなかったという事だったのだろう。
だが古葉さんは女である。大坪よりも若くて可愛い女の子である。
そこが関係あるのか無いのかは定かではないが、大坪の右ストレートが見事に炸裂する。
どういう経緯でそういう発言をしたのかはわからないが、大坪は古葉さんに、
「店長に教わりたいって事ですかッ!?」
と、早口で、そしてやや力強く言ったらしい。
後に古葉さんは「少し怖かったです…」ともらしていた。
新卒の女の子にまでその圧のかけ方でマウント取ろうとするとは……。
この先も大坪は、どこに行ったとしてもこうやってマウントとろうとし続けるのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます