第2話 距離感と臨機応変
先のパートさんとのいさかいからまたそう日を置かず次のイベントが発生。
その日大坪は店内出入口近くにあるちょっとした仕切りがあるだけの小さな店内事務所(パソコン1台とコピー機1台がある2畳程の広さ)からレジへと向かっていた。
同じく店長も大坪と同じ方向へ少し後ろから歩いていたのだが、突然大坪が振り返り言った。
「店長もう少し離れてくれませんか」
大坪は女である。歳は36。短めの髪でメガネをしていて、少し小柄なハリ〇ンボンの春〇。
大坪は自意識過剰なのか、それとも人と近づくのが嫌いなのか極端に距離を取りたがる。
コロナだから??
いやいや、コロナが蔓延する前からこうなのだ。
例えばお店の通路を歩いていてすれ違う時なんかは壁ギリギリまで身を寄せ人を避ける。
一緒に働いてるスタッフとしては気持ちのいいものでは無い。
そして、すれ違うのが男だったらさらに極端な避け方をする。
襲われるとでも思っているのか。誰もお前なんか襲わん。と男性スタッフはみんな思っているのに。
大坪はそういう気持ちでいるのか、店長にそう発言した。
それ以来店長は大坪とすれ違う時逆に壁ギリギリまで避けすれ違う事にした。
すると―――。
「そこまでしなくても良いんですけど」
「はぁ?アナタが言ったんでしょ?」
「臨機応変とかあると思うんですけど」
(お前が言うかッ!!)
と、店長は思った。
が、これは常日頃他のスタッフも、言うては18そこらの学生からすらからも思われている。
もちろん普段から大坪が臨機応変に出来ていないから。
今そのエピソードがパッと出てこないが、すぐにそのネタも舞い込んで来るだろう。
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