第10話 よし、初依頼!

「じゃ、シリカちゃん。私が受けられそうな依頼ってある?」


「んーとね、Fランクの依頼だと今は……薬草の採取だね」

「ポーションの材料になる薬草を集めてっていう依頼だよ」

「駆け出し冒険者の子はみんなこの依頼から始めるんだ~。私もそうだったよ」


 薬草の採取ね。

 ≪解析鑑定≫があるから楽に終わらせれそうだね。


「それなら、その依頼にしようかな!」


「了解!ちょっと待っててね~」

 そう言ってシリカちゃんはカウンターの奥に行った。

 何かを取りに行ったのかな?


 少ししたら戻ってきた。

「お待たせ!はい!この袋に薬草を入れてね」

「そんなことは無いかもだけど、取りすぎちゃった時用でもう一つ渡しておくね」

「あ、それと、今薬草は割と貯蔵があるから期限とかはないよ。だから自分のペースでゆっくりやっても大丈夫だからね」


「ありがと!シリカちゃん」


「気を付けてね!モンスターにあったら逃げてね!!」


 あ、そっか。街の外に行くわけだし、モンスターとかいるかもしれないんだ。

 危なそうだけど、冒険者してる!って感じがあってちょっとドキドキするね。


「ありがと!気を付けるね!」


 シリカちゃんの忠告を頭にとどめて薬草の採れる場所に向かった。




 少しすると、開けた草原に出た。

 ステータスウィンドウのマップによると、『スライムの草原』っていう名前らしい。

 この名前ってことはスライムが出るのかな?

 わくわくするね。


「さーて、薬草はどれっかな~」

 さ!働いてもらうよ!≪解析鑑定≫!


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 ちょいまち!オフ!オフっ!!!


「あたま……割れる……」

 あたり一面の草、生物の情報が一気に頭に流れ込んできて、死ぬかと思った。

 逆になんで生きてるの?私。


「どうにかならないの……?これ」

 これじゃ便利なものも使えないよ……。



『スキル≪生活魔法:カスタム≫の権能、≪解析鑑定≫にカスタムメニューが追加されました。追加されたのは以下の通りで──』


 お!!

 これ、あれだ。スキル進化の時にも聞こえたやつだ!

 ふむふむ……。≪解析鑑定≫にカスタムメニューが追加されたとな?

 見てみよう!


──────────────────────────────

≪解析鑑定≫

 【カスタムメニュー】

 ・検索

  自分の探したいものを検索に掛けることができる。

  マップに検索結果を反映可能。

  ※検索をしている間は他の物を勝手に解析鑑定することはない。


 ・???

  ????????????。


──────────────────────────────


 おぉ!これは今回の依頼にはぴったりじゃん。

 それにしてもまた『?』があるね。

 いつか見れるようになるのかな?


 今回のこともあって分かったけど、この【カスタムメニュー】っていうのは基本能力をある一定方向に特化させたり、能力の派生した能力を使えるようになるって感じかな。

 まだ使えるものも少ないし、わからないけどね。


「便利なのも追加されたことだし、ささっと依頼こなしちゃお!」

 【検索】、薬草!

 あれ、反応しない……。


「って、私薬草の名前わかんないじゃんかぁぁぁぁ!!!!」

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