第11話 か、神様!?

 薬草採取に来た私。

 でも、薬草の名前知らないから検索しても出ないの。


「ほんとにどうすればいいの?≪解析鑑定≫使えるしって思って図鑑とか買ってないし……」


 神様?あの、もういちど【カスタムメニュー】の追加の方、お願いしてもいいですかね?

 ほらさ?ぱぱっとさ?


 ……。


 ですよねー。

 そんな簡単にしてくれるわけないよね。


「でもなー。さっきは追加してくれたのになー」

 チラチラ。

「もう一回ぐらいあっても良いと思うんだよね」

 チラチラチラっ。


 どこにいるかはもちろん分からないけど、神様に視線を送ってみる。


 …………。


「やっぱだめだよね……はぁ」

 私が諦めて大人しくそこら辺の草を一つずつ≪解析鑑定≫しようとした時だった。


<むぅ、しょうがないわね>

と、若い女の人の声が聞こえた気がした。


「!?今の声は?」

 どこかで聞いたことがある気がする声。

 でも思い出せない。

 なんだかもやがかかったみたいで。



『Rからの要求を受諾』

『スキル≪生活魔法:カスタム≫の権能、≪解析鑑定≫のカスタムメニューに新しい項目が追加されました』


 私が思い出そうとしていると、例の声が聞こえた。

 どうやら私の願いが反映されたらしい。

 『R』とやらの人物の手によって。


「もしや神様!?ありがと!ほんっとにありがとう!」

 私の願いを聞き、叶えてくれるなんて。

 これは信仰せねば。

「名前も知らないけどありがとうございます!」


 よし、早速追加されたのを見よう!


──────────────────────────────

≪解析鑑定≫

 【カスタムメニュー】

 ・検索


 ・記憶検索

  自分の見たことがあるもの、記憶にあるものを検索できる。

  記憶の鮮度によって検索結果の正確度が変化する。


──────────────────────────────


 記憶検索ね。

 つまりは、『あ~あれの名前なんだっけ?』問題が解消される訳だね。


 記憶の鮮度っていうのは記憶が新しいほど正確な結果が出せるってことだよね。

 これと≪図鑑≫を合わせれば二度と検索したことを忘れずに済むわけだね。


 そして、今回は全く問題はない。

 依頼に出向く前にシリカちゃんが薬草のサンプルを見せてくれたから、しっかりと覚えてる。

 その時に名前も聞いておけっていう話なんだけどね。

 もう依頼が楽しみすぎてそんなことは全く頭になかったし、≪解析鑑定≫でどうにかなるとも思ってたからね。



 さて、さっそく試してみるとするかな。

 【記憶検索】。


 ほうほう……。あの見本の薬草はヒール草っていう名前なんだね。

 傷を治すポーションの原材料と。


 じゃあ、次は【検索】、ヒール草!


 ポポポポポポポポポン!


 マップにたくさんの印が表示された。

 でも印がありすぎて見にくいね……。

「マップ:視野モード」

 視野モードにすると自分が見ている視野にマップの情報が反映される。

 例えば、街の名前がマップ上にあるとしたら、視野モードにしてその街を見たら街の名前が空中に浮かび上がってくるみたいな?

 街の中で使うとお店の名前なんかも見れる。


 私の視覚にマップ情報が表示されて、薬草のある場所が見やすくなった。


「さ、薬草採取、再開!」

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