第9話 冒険者とうろ……可愛ッ!!
「ようこそ、冒険者ギルドへ!」
受付嬢のシリカちゃんのこの一言でやっと私も冒険者になれるんだなって自覚が湧いてきた。
「じゃ、早速登録、しよっか!」
「この紙に名前とかスキル書いてね~。あ、個人情報は守るから安心してね」
なるほど、ここに書けばいいのね。
さらさら~っと。
「はい、書いたよ。これで大丈夫?」
書き終えた紙をシリカちゃんに渡す。
「ふむふむ、リーンちゃんね!って19歳!?私も19歳だよ!」
「え!?そうなの?」
若いとは思っていたけど同い年とは。
「そうだよ~同い年の女の子ってあまりいないから嬉しい!」
「そだね、私も嬉しい」
3年間屋敷勤めだった私からしたら同い年の子と会うのすら滅多になかったんだけどね。
「それで次は……スキル≪生活魔法:カスタム≫??」
「これって普通の≪生活魔法≫じゃないよね?」
やっぱそこだよね。
「うん。スキルが進化したの」
ちょっと間が空く。
来るぞ、アレが来るぞ。せーのっ!
「えぇぇぇぇぇ!?」
「ほんと?それってほんと!?」
はい、叫び頂きました~。
「ほんと。だからちょっと静かにね?周りの人に見られちゃってるから」
シリカちゃんの声で周りのみんながこっちを見てる。
「あ、ごめんね」
「びっくりしちゃって」
ま、その気持ちも分かるけどね。
「これをこうしてっと……」
気を取り直したシリカちゃんはさっきの紙の情報をギルドカードやらに書き写しているらしい。
「ほいっと。出来た!お待たせ~」
出来たみたい。
「これがリーンちゃんのギルドカードね。後はこれにリーンちゃんが魔力を流し込めば完成だよ」
ふむふむなるほど。
魔力を流す感覚なら何となくわかる。
いつもスキルを使うときに何かを使ってる感覚があるからね。
多分あれが魔力なんだと思う。
そして、私が魔力を流すとカードが金に光った。
「これで登録は終了だよ。これでリーンちゃんも立派な冒険者だね!」
「最後にギルドランクの説明をしておくね」
「ギルドランクはF~SSまであって、依頼の達成や功績などによって上がっていくんだ。上がるにつれて高難易度の依頼が受けれるようになるよ」
「Sランク以上にもなると国や貴族からの指名依頼なんかもあったりするんだよ」
「だから頑張って上げてみてね!」
「わかった!シリカちゃん、ありがと!」
「それでなんだけどさ、私と友達になってくれない……かな?」
「──!!いいよ!私もなりたかったから!」
「良かった~。私ずっと屋敷勤めで友達なんかいなくって」
「って事は私がリーンちゃんの初友!?」
「うん、そうだよ」
「ふへへ、嬉しい」
!?
この可愛い子はなんだ!?
今すぐにでも男になりたい!
「っ、シリカちゃん、これからもよろしくね!」
「うん!よろしくね!リーンちゃん!」
そう言ってシリカちゃんは可愛すぎる笑顔を浮かべた。
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