第2章 さぁ、冒険者を始めよう

第8話 ようやくギルドへ

 さぁ、ギルドへ行こう。

 煮込み祭りの次の日。

 待ちに待ったギルド!

 今日から私の冒険者ライフが始まるんだ!


「おーい、リーンさん?顔がにやけちゃってますよ~」


「はっ!?」

 目の前にはニタニタ顔のフォイル。

 めっちゃ腹立つぅ……。


「≪包丁ナイフ≫。」

 私は進化した包丁ナイフで鉄剣を取り出す。

 にこっ。


「ひっ、な、なんもありやせん」


「だよね~」


「でも、そんなに嬉しいものなのか?冒険者になれるの」

 何を当たり前のことを。

「当たり前でしょ?やっと夢が叶えられるんだから」

 ここまで長かった。

 やっと、やっとだ。


「あの、リーンさん?仕事行ってきますね?」

 危ない危ない。またトリップしちゃってた。


「行ってらっしゃい。あ、もしかしたら依頼受けてくるかもだから遅くなるかも!」


「まじ?じゃあ、夕食は?」


「外でセバスチャンと食べればいいじゃん。それか私が帰ってくるまで我慢ね」


「えぇ、そんなぁ」

「ま、行ってくるよ」


「んー行ってら」




 よし!私も出かけよう!

 ささっと準備をして、それを──

保存庫ストレージ

 ──保存庫ストレージに仕舞い込む。

 これで準備万端、手ぶら状態。


「セバスチャン、行ってきます!」


「リーンさん、気を付けて、そして楽しんで来て下さいね」


「……はいっ!」


 そうして私は街のギルドへと向かった。




 ギルドに着いた私は、真っ先に『冒険者登録』と書かれた看板をぶら下げる受付へと向かった。


 向かう間、周りの冒険者にめっちゃ見られた。

 え、なに、怖いんだけど。

 そんなことを考えながら受付についた。

 「すいませーん」

 そう私が呼びかけると奥から若い女の子の声で

「はーい」

 と聞こえてきた。

 しばらくすると私と同年代と思われる受付嬢が来た。

 なにこの子、すごくかわ「なにこの子すごく可愛い!!!」


 私の心の声と、受付嬢の声が重なる。

「え……?」

 戸惑う表情を浮かべる私にその受付嬢は慌てて、

「すいません!いきなり。あなたがあまりにも可愛いものだからさ」

「しかも見た感じ同年代だよね!?」

「同年代でこんなに可愛い子にあったの初めてで!」

 そう勢いよく捲し立てた。

「あ、ありがと?」

 ここまで言われると嬉しいような、恥ずかしいような。

「それにメイド服も似合ってるからね!」

 あ……。

 さっきなんで見られたのかわかったわ。


 メイド服着たまんまだったぁぁぁぁぁ!!!

 うわぁ、恥ずかしい。

「あの、登録してくれますか……」

 恥ずかしすぎて話題を逸らしにかかった。


「あ、ごめんごめん!」

「私はシリカ。受付嬢兼冒険者もしてます!」

「ようこそ、冒険者ギルドへ!」

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