第3話 レポート 2日目

2日目


これほどのんびりと過ごした日は久しぶりだったと思う。


朝7時に起床。パンと採って来たバナナと目玉焼きとベーコンと紅茶を貰った。その後は購入したと言うブルーベリーでジャム作りを手伝った。「添加物が入ってないから長持ちしない」とかそんな理由ですぐに使う必要があるらしい。



昼はガーリックシュリンプとサラダとごはん。揚げ物は卑怯過ぎる。ジューシーで美味い。ごはんと良く合う。デザートはアップルマンゴー。ここで育てた物だ。今が旬らしい。柔らかいし、甘いしで最高だった。あれが高級クラスというものかと学んだ。いつか家族に食べさせたい。


対象が昼寝をし始めたので、結界を貼った。身を守るために、島に幻術の結界などを貼ってるのは知っているが、念のためだ。護衛として仕事をしないといけない。


慌てて起き上がった。「パソコンを取ってきて電源入れて欲しい」と言われた。ネットが繋がる環境である事が分かる。ハッキングされてしまう可能性を考えたが、魔法で居場所を探らないようにしている事がすぐ分かった。対象自身に力はない。力量もない。調べてみたら、違う魔力の痕跡が見られた。普段の護衛か協力者がやってくれてるのだと推測する。


慌てて起き上がる理由は分かった。配信だ。何処で撮っているのか不明だ。青く、雲が1つもない空。黒くて大きい翼を持つ生き物。何かに乗って空を飛んでいる。


聞いたことがある。拾ったドラゴンの卵を育てて懐かせた変わり者の人間の配信動画だ。世界遺産や入りづらい場所を映してくれる事で有名だと聞いた。対象はその変わり者の人間のファンらしい。自由に行ける力がある事を羨ましがっていたように思える。


吸血鬼は強力だ。だからこそ弱点をいくつか持つ。そのはずだが、対象は守られている。理由については自室に置いてあったもので知っているが、本当かどうか怪しい。特殊である事を理解している。ただ信じられないのも事実だ。この辺りは一時的な雇われの身だから深く追求しないでおこう。


対象がずっと作ってるのもあれだったので、私が夕食を作った。コテージパイとコンソメスープだ。普段は4人分作るため、少し多く作ってしまった。残りは全て食べた。ピクルスがあったから助かった。その後は紅茶を入れて、ほっと一息。


シャワーを浴びた後、静かに過ごす。読書をしながら、観察を行う。対象は裁縫をしている。特に変化無し。就寝準備前、周囲の見回りをする。予想していたが、不法侵入者も無し。結界を貼って、就寝。




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