第7章 友情という名の魔法

 僕は夢を見ていた。

 夢の中ではまだ小さかった。交通事故に巻き込まれて怪我をしていた。そんな僕に話しかけてきた女の子が呪文をかけると僕の怪我は治っていた。

 夢の中では十七歳だった。親友を自殺に追い込みかけてしまった。胸が苦しくなった。僕は必死に彼女を助けることにした。僕の親友と一緒に。

 目が覚めると、カーテンからは明るい白い光が射し込んでいた。ユキとマサはまだベッドの上で眠っている。

 昨日マサが言っていたことを僕は思い出していた。

「俺たちには友情という名のが使えるじゃないか」

 確か彼はこう言っていた。確かにその通りだなと思う。ユキやマサがいてくれるから、こんな臆病な僕が強くなれるのだと思う。これからもずっと一緒に過ごしたいから。困っていたら助けたいって思うから。そして、幸せに生きてほしいから。

 僕たちはこれからも一緒に、幸せに楽しく過ごしていくことができると思う。三人ならどんな困難にだって立ち向かえると思う。

 だって僕たちには使えるのだから。「友情という名の魔法」が。

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友情という名の魔法 貴春 @kiharu-syosets

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