第5話 思わぬ再会
たどりついた国は、小さな国だったが。自然災害が多い国だったらしい。
聖女の人手が足りなくて困っているようだった。
そういった事情が背景にあってか、私は簡単な試験と面接だけで再び聖女として活動できるようになった。
しかし、仕事の難易度はけた違いに高い。
海や山での事故、土砂災害、浸水被害。嵐の被害。
起こる災害の種類が多かったため、それに伴って対応の仕方も様々。
仕事を覚えるのに、だいぶ苦労した。
前の国では力の使い過ぎで魔力が尽きるなどという事はめったになかったのに、この国ではしょっちゅう。
その際は、自力で応急処置できるようにと、魔法を使わない手当ての仕方を学ばなければならなかった。
けれど、それらも何とか乗り越えた。
休日にファルコンをつきあわせて、愚痴が止まらなくなるくらいの環境ではあるが、やりがいのある職場だった。
そんな中、大きな事故が起こった。
使われなくなった鉱山を改装した観光地が、崩落事故で多くの人を閉じ込めてしまったらしい。
救出された人々の手当てをするために、聖女が派遣されることになった。
しかし、そこで見たのは「なっ、なぜテイルがここにいる!」元の職場の上司たち。
私を切り捨てた者達だ。
彼らは気まずそうに私から視線をそらす。
彼等とは会話もしたくなかったが、負傷者は次々と運び出される。
「状況の説明をお願いします」
やむなく、交流を行うしかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます