第5話 思わぬ再会



 たどりついた国は、小さな国だったが。自然災害が多い国だったらしい。


 聖女の人手が足りなくて困っているようだった。


 そういった事情が背景にあってか、私は簡単な試験と面接だけで再び聖女として活動できるようになった。


 しかし、仕事の難易度はけた違いに高い。


 海や山での事故、土砂災害、浸水被害。嵐の被害。


 起こる災害の種類が多かったため、それに伴って対応の仕方も様々。


 仕事を覚えるのに、だいぶ苦労した。


 前の国では力の使い過ぎで魔力が尽きるなどという事はめったになかったのに、この国ではしょっちゅう。


 その際は、自力で応急処置できるようにと、魔法を使わない手当ての仕方を学ばなければならなかった。


 けれど、それらも何とか乗り越えた。


 休日にファルコンをつきあわせて、愚痴が止まらなくなるくらいの環境ではあるが、やりがいのある職場だった。







 そんな中、大きな事故が起こった。


 使われなくなった鉱山を改装した観光地が、崩落事故で多くの人を閉じ込めてしまったらしい。


 救出された人々の手当てをするために、聖女が派遣されることになった。


 しかし、そこで見たのは「なっ、なぜテイルがここにいる!」元の職場の上司たち。


 私を切り捨てた者達だ。


 彼らは気まずそうに私から視線をそらす。


 彼等とは会話もしたくなかったが、負傷者は次々と運び出される。


「状況の説明をお願いします」


 やむなく、交流を行うしかなかった。


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