第10話 使用人達 1

 私は代々エルムバーン魔王家に仕える執事の家系で

 セバスンといいます。

 アスラッド様がまだ子供のころから仕えてきました。

 エリザ様とご結婚されるまではそれはもう手を焼かされましたが

 今では立派な魔王となられそして父になられました。

 

 御長男の御名前はジュン様。次代の魔王様の誕生というわけございます。

 しかも堕天使で紋章を計4つも所持。

 まるで絶大な力をもち全ての魔族を従え率いた初代魔王様の再来です。

 それに生まれて間もないにかかわらずその眼にはなにやら知性を感じます。

 きっと偉大な魔王様になってくれる事でしょう。

 

 そしてその予感は正しかったようです。

 歩けるようになったと思えば本を読んだり調べものをして回ったり

 子供のうち魔力を使うことに慣れさせるための玩具を1歳になる前から使いこなし

 1歳になるころには自力で魔法の発動に成功させました。

 これは他に類を見ない非常に、いえ異常とも言える速さです。


 その異常性は少々気になりますがジュン様はその容姿もあって

 使用人達からも非常に受けがよく、また性根もお優しいようでみなの癒しになっています。

 早くも魔王としての資質の片鱗をみた気分です。

 

 アスラッド様とエリザ様に二人目の御子様

 ジュン様の妹君、ユウ様が御生まれになりました。


 ユウ様も生まれてすぐジュン様には兄としての自覚が芽生えたらしく、今まで学んで来られたことをユウ様に話して聞かせておられます。

 その御姿はメイド達からみても微笑ましいらしく皆にこやかです。

 どうやらみなの癒しが増えたようで何よりです。


 しかし、ユウ様も生まれてすぐなのにその眼には知性を感じられます。

 ユウ様も将来は大変な大物になるのやもしれませんな。 

 

 私の息子と娘。

 セバストとノエラがジュン様とユウ様付きの執事とメイドになることが決まりました。

 御教育はエリザ様を中心に私も手伝いますが二人も参加することになります。

 次代の魔王様とその妹君の御教育に携わる、非常に光栄かつ重大なことです。

 息子達にもそれを理解して行ってもらいたいものです。

 

 時折、ノエラがおかしな事を妄想していそうな気がするのが不安ではありますが・・・

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