第8話 波乱の文化祭!

文化祭当日、アオのクラス


「焼きそばー!焼きそばいりませんかー!ここにしかない五大味覚焼きそば、買っていきませんかー!」

これがこのクラスの出し物。五大味覚焼きそば。激甘、激旨、激苦、激塩っぱ、激酸っぱの5つの味が楽しめるというカオスな焼きそばである。

アオ「誰が買うんだよこんなの...」

柊「激旨と激甘はそこそこ売れてるぞ」

アオ「そのほか3っつはもはや罰ゲームだろ」

柊「...良くね?」

アオ「良いのか?(困惑)」

今店番してるのだが全く売れる気配がない。

明「すいませーん。焼きそばくださーい。って、アオくんと柊さんじゃん」

アオ「来てくれたんだ...」

柊「お久しぶりです」

明「久しぶり。いやぁ、五大味覚焼きそばなんてここでしか売ってないもんね!こんなまz...珍しいの」

今まずそうって言いかけたよな...

柊「どれがいいですか?1番人気は激甘だけど、激苦とか激塩っぱとかもおすすめですよ」

サラッと売れ残りを押し付けてくるとかすごいなそのメンタル...

明「んー、アオくんのおすすめは?」

アオ「激甘と激旨しか売れてない」

明「激うまってなに?」

アオ「五大味覚の『旨み』の部分で、油敷く時に牛脂使ってる。他にも工夫が色々」

明「なるほど...気になるけど...激甘にしとこうかな」

柊「それじゃ600円ね」

明「千円でいい?」

アオ「はい、お釣り400円ね。ありがとうございました」

柊「ありがとうございました」

アオ「...確か休憩のタイミング一緒だったよな」

柊「そうだな、でどした?」

アオ「明音のクラス行かね?」

柊「行きたいならいいぞ。俺暇だし。」

アオ「...なんかごめん」

柊「?まあ、気にすんな」


明音のクラス


アオ「男装女装喫茶...」

柊「すごいな」

??「いらっしゃいませ」(感情無し)

アオ「2人席あります?」

?? 「こちらの席、どうぞ」(感情無し)

柊「あの人なんか無愛想じゃない?」ボソッ

明「無愛想で悪かったな」

柊「ひっ...」

明「ご注文決まりでしたら申し付けください。ではごゆっくり。」

アオ「クールを履き違えてる...」

柊「そういうことか」

アオ「コーヒーでいい?」

柊「いいぞ」

アオ「すいませーん!」

「休息のお供はお決まりかな?」(イケボ)

アオ「コーヒー2つ」

「深淵より来たれり漆黒の液と共にこのひと時の平和の象徴もいかがかな?」(イケボ)

アオ「?」

柊「なんか他のメニューもどうだって言ってんのか?それっぽいのは...サンドイッチ?」

「赤子の犠牲の上に成り立つ哀れな...たまごサンドもいかが?」(途中から地声)

アオ「じゃあお願いします(限界きたのか)」

柊「なんか頑張って厨二演じてた子一生懸命で可愛かったよな」

アオ「そうかな?」

柊「これがリア充か!」

「お待たせしましたー♡こちらコーヒーとサンドイッチになります♡」

二人「うおっ」(二重の意味で)

「それではごゆっくり~♡」

柊「あれ、男なんだよな...」

アオ「考えたら負けだ」

ブ-ッ、ブ-ッ

柊「スマホ鳴ってね?」

アオ「ほんとだ、明音から?『10分後ここにいて』どういうことだ?」

柊「そういう事なら俺はどっか行くよ楽しんでこいよ」

アオ「おい!どういう意味だよ!」

そう言い残し、柊は出ていってしまった

アオ「...あ、あいつ金払ってねぇ...」

あいつ...後できっちり''返して''貰わないとな...


10分後


明「お待たせ」

アオ「そんな待ってないよ。気にしないで」

明「さ、文化祭回ろ!」

アオ「ちょっ!引っ張らないで~」

明音はやけにご機嫌だった文化祭ってそんなに楽しみだったのかな...?

お化け屋敷、屋台巡り、射的、輪投げなど色んなことをした最後にカフェで1杯コーヒーと紅茶をそれぞれ飲んでいるとふと明音が

明「今思ったんだけど、これって文化祭デートってやつだよね?」

アオ「そっ、そうだな」

明「特に何も気にせず過ごしちゃった...もっとなんかすればよかった~」

アオ「楽しくなかった?」

明「そんなわけない!」

アオ「じゃあそれで良いんじゃない?」

明「え?」

アオ「俺は楽しかったし、いつもとやってる事変わらなくても最高の思い出だよ。好きな人とお化け屋敷入って怖がったり、屋台の近くでたこ焼き食べたり、今こうしてゆっくり過ごしてるのもどれも1年に1回しか無い貴重な事だよ。そんなことが起こる日を『こうすればよかった』って後悔するより『あれが楽しかったな、面白かったな』って思ってたはうがいいじゃん。それにさ、まだ今日は終わってないんだから、やり残したことなんて無いようにしよ!」

明「アオくん...やっぱり、敵わないなぁ」

そう言うと真っ直ぐ顔を見つめてきて...そして後ろに目が行き、顔が青くなった。

アオ「どした?後ろになんか...あ、」

父母「「ども...」」(苦笑い)

アオ「いつから?」

明「多分ずっと」

アオ「じゃあ、バレた?」

父「何が?」

母「気にしないでいいわよそんなこと。気まずくなんてならないわよ」

アオ「お見通しかよ」

父「え?何?二人付き合ってんの?」

母「小学生男子みたいな聞き方しないの」

明アオ「「はい...」」

父「別に良くね?付き合ってても」

母「法律上は問題ないし、どこの誰とも知らない(──🔫バキュ-ン)に渡すよりはよっぽどいいわ。というかアオくんがいい。」

アオ明「「良かった」」ホッ

母「帰ったら''色々聞かせて''ね?」

アオ明「...っ!」ゾワゾワッ

帰ってからはどこまでシたのかとか沢山聞かれた(多分悪意なし)

アオ「こういうとこは苦手だ...」

明アオ「私もよ...このテンションはついてけない」

両親公認にはなったが...これからどうなることやら...

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