第8話 最強
シャ「なるほど...規格外ですね」
バアル「頭おかしいんじゃないの?」
優仁「俺もそう思う」
戦勝報告。まぁ、初陣は大成功というわけだ。
しかし問題はそこでは無い。
シャ「一瞬で亡霊達が消えました。なにか心当たりは?」
バアル「いやぁ僕は知らないよ」
優仁「俺も...あんまり覚えてないです....申し訳ない...」
バアル「それはもしかしてあれ?気づいたら全員倒れてました的な?」
シャ「そんな某黒の剣士じゃあるまいし...」
優仁「ギリギリを攻めるなぁ...ってのは置いといてマジでこれといってやった記憶が無いです」
シャ「んじゃとりあえず保留で。次も同じことがあるようなら監視カメラでも付けるさ」
そんなのでいいのかと、2人は思った。
というか監視カメラ効くんだ...
シャ「それでだ、もし一瞬で霊たちを消せるのなら間違いなく君たちは最強の死神だ。場合によっては怨霊、ひいては妖にも手を出してもらうかもしれない」
優仁「妖?妖怪ってことですか?」
バアル「力を持ちすぎた怨霊は多くの場合、いわゆる"妖怪"の概念を取り込むんだ。そしてその"妖怪"と混じりあった怨霊を妖って呼んでる」
と、バアルが説明を入れ、シャイターンが付け足す
シャ「さっきバアルもちらっと言ったが、何事にも例外はある。例えばそうだな...妖怪以外の概念を取り込むものも稀にいる。まぁ、恐怖の対象ならなんでもOKみたいな節はあるしね」
優仁「そんな緩いんだ.....」
シャ「ま、これも全部次の仕事のあとの話さ。今はゆっくり休むといい。連勤は労基に引っかかる」
優仁「ここにもあるんだ...労基.......」
バアル「ねぇねぇ聞いた!?僕達最強だって!」
優仁「はいはい、その話もう10回目よ?」
自室。帰ってきたからというもの、バアルは目を輝かせてその話ばかりしている。と、唐突に携帯が鳴る。見慣れない番号からの着信だった
優仁「誰からだろ....知らない番号...」
バアル「出ない方がいいよ!これ多分『オレオレサギ』とか『フリコメサギ』ってやつなんだろ?」
優仁「いやぁ...そんなのに引っかかる歳じゃないって...」
そう言って電話に出る。
優仁「もしもし?」
「アンタが暴食ね?そうなんでしょう?」
優仁「いや、知りませんけどなんです?それ」
ひとまずとぼけてみる。"暴食"の名前を出したからと言って死神とは限らない。
「私は傲慢の死神よ。私と勝負なさい。場所は...そうね、新宿辺りがいいかしら」
優仁「正気か?」
「この私からのお誘いよ?感謝する事ね。じゃ」
通話が切れる。何が起こったか分からない。
情報処理の追いついていない頭の中で通話が切れたことを示す電子音だけがこだまする。
バアル「誰だったの?」
優仁「傲慢の死神...」
バアル「あぁ、キマリスのとこか...キマリスは良い奴だよ。ちょっと言動が大袈裟だけどね」
優仁「癖のあるやつしかおらんな」
バアル「癖のない子がいるとでも?」
優仁「バアルがそうだもんな、俺が間違ってた」
バアル「おいそれどういう意味だコラ」
優仁「まぁ、それは置いといて、傲慢の死神ってどんなやつ?」
バアル「あんま知らないんだよねぇ...一番古参で1番強いってことしか」
優仁「一番古参で1番強い...経験も十分ってか...」
バアル「大丈夫、僕たち最強だから」(目隠しをつけて)
優仁「お前そろそろマジでやめてくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます