第7話 "先輩"

バアル「おつかれー」

優仁「おつかれ、んじゃ、帰ろっか。いや、その前に報告か」

バアル「そだね、ソロモン様のとこによってこっか」

??「先輩が激励してあげようと来てみれば...まだ霊装すら着てないなんてね〜」

バアル「うげ...」

声をかけてきたのは長身の大人っぽい女性。その隣には金髪のイケメン。いかにも一波起きそうな組み合わせである

優「誰?」

バアル「色欲だよ...アスモデウス。苦手なんだよ...あぁいうタイプ」

優仁「あぁいうって....」

どんなの?と、聞こうとした瞬間、アスモデウスが口を開く

アス「やっぱり"雑魚"は仕事が遅いわねぇ〜それにとなりの"貧弱"もいかにも弱そうw」

優仁「あー...こういう感じね俺も苦手だわ....」

バアル「そういうそっちは早速営業(意味深)か?甘ったるい匂いがして吐きそうなんだけど」(キレ気味)

優(そういやこの前、嗅覚が特殊になるって言ってたような...今のもその1種なのかな...?)

アス「どういう意味よ"穀潰し"」(半ギレ)

バアル「はぁ?てめっ...」

優仁「待ちなよ、バアル。」

バアル「優仁?どうして止めるのさ!こいつ優仁のk」

優仁「気にすんなってそんなの。だって...」

そう言うとアスモデウスの方をちらっと見て

優仁「手が届かないような安全圏から吠えるだけのかわいいワンちゃんに、大声出したら怖がっちゃうでしょ?」

バアル「優仁、もしかしてキレてる?」

優仁「当たり前じゃん(即答)」

アス「さっきから黙って聞いてれば...!」

??「まぁまぁ、アスモデウス。そう怒らずに。」

アス「でも隼人(はやと)様...!」

隼人「分かったよ。その恨みは僕が晴らす。」

隼人と呼ばれた男はいかにも相棒が一方的に被害を受けたような言い分。

優仁「気に入らねぇなぁ...先に言ってきたのはそっちだよ?」

隼人「それでも、だよ。彼女が傷ついたんだ。黙っている訳には行かない」

優仁「やっぱり甘ったるいね。むせそう。これがきっと"色"の臭いなんだろうね。それも汚い方の」

隼人「君に恨みは無いと思ってたんだけどたった今できたよ...やはり許せない。死んで詫びてもらう」

優仁「そう?こっちは欠片の興味もないよ。だからとっととそこどいて上でふんぞり返ってる淫乱に一発殴らせろ」

隼人「話せば話すほどに殺す理由が増えていくね。おかげで心置き無く殺せる」

優仁「ふーん。まぁこんなにやる気なんだし、遊ぶくらいの相手はしてあげるよ」

隼人「この野郎...言わせておけばっ!」

相手がいつの間にか取り出した黒水晶の槍を手に、すごい速度で迫ってきて、高速の突きを繰り出す。だが、

優仁「うぉ、思ったより早いな」

隼人「あんなに侮辱してくれたんだ、楽には殺してやらねぇ!」

怒涛の乱れ突き

優仁「こんなもんか」

背面に回って回避

隼人「っ...!」

今度はなぎ払い。

優仁「危ないなぁ」

鎌を取りだし、手元でクルクル回して上に放り投げると同時に大きく弾く。

その隙に肘鉄、みぞおちに正拳突き、そして首筋に回し蹴りをねじ込む。

隼人「ガハアッ!?」

優仁「殺すとか言ってた割には...そうでもないねw」

落ちてきた大鎌を余裕でキャッチし、優仁はさらに煽る

隼人「この野郎...!」

バアル「ねぇ優仁」

優仁「ん?どした?」

バアル「殺そうとしてくる相手に対して遊ぶってのはどうなの?」

優仁「だって弱いんだもん。どう頑張っても負けないよ」

隼人「舐めやがって...!」

背後から心臓をねらった突き

優仁「はいはい単純」

軽く避けて、穂先を掴み、そのまま振り回して地面に叩きつける。

隼人「グボァッ」

優仁「あ、血吐かせちゃった...もうちょい加減した方がいいかもな」

その瞬間、ピシッと音が鳴り響く。

咄嗟に優仁は音の元である黒水晶の槍から距離をとるが、特に何も変わった様子は無い。

アス「き、今日のところはこれくらいにしておくわ。挨拶に来ただけだしね」

バアル「完全に負けてるけどね....」

隼人「う...あぅ.....」

アス「帰りますよ、隼人様...」

優仁「二度とその面見せんな!」

アス「この借りは必ず返すわ...どんな手を使っても....」

バアル「だいぶ手酷くやられたはずなのにね...」

優仁「よく言うじゃん『弱い犬ほどよく吠える』って」

バアル「ぷっ...あっはははは!いい気味!スカッとしたよ!ありがとう、優仁」

優仁「俺もだいぶスカッとしたよ。相棒貶されて黙ってる奴は居ないだろ?」

そしてふたりはシャイターンの部屋へ向かっていった

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