第5話 初陣

シャ「さて、儀式はつつがなく終わった訳だが、君たちに初仕事を頼みたい。言わば初陣ってやつだ。」

バアル「おぉ!早速!」

優仁「最初のってことは確か霊を祓う事でしたよね?」

シャイターンの説明を思い出し、質問してみる、するとうんうんと頷きながら、嬉しそうにレクチャーが始まる

シャ「そうそう。ただ呼び方が少し違うかな。そういう霊たちには成長度で呼び方が亡霊、悪霊、怨霊と、変わっていくんだ」

優仁「なるほど.....じゃあこれから祓いに行くのは亡霊ってことですか?」

シャ「正解!仕事の内容だけど、そうだなぁ...手始めに5層辺りを頼もうかな。」

バアル「そこの亡霊を祓えばいいのね?おk」

優仁「それじゃあ、行ってきます。」

ドアに向かって歩き出そうとしたその時、シャイターンが声を上げた

シャ「あ、忘れてた!指輪!」

バアル「あ....」

優「指輪?」

シャ「はいこれ。契約の証"無血の指輪"。戒禁は無血。殺しを禁ずるものだよ」

優「えっと...これは?」

シャ「これに関してはバアルの方が詳しいんじゃない?」

バアル「まぁ、そうですね。それは悪魔と契約する時に使われる呪具、"十戒の指輪"のうちの一つだよ。悪魔は基本的に人を誑かし、堕落へ誘い、人々に試練を与えることを目的として遣わされたものなんだ。そんな悪魔を手懐けるためには縛っておかなきゃいけないってんで作られたのがそれ。似たようなのが他にも9個あって、それぞれに別の戒禁が刻まれてるんだ。」

バアルがドヤ顔で説明を締めくくると、シャイターンが付け加える

シャ「この結魂の義も1種の悪魔との契約だから十戒の指輪を使ってるんだ。それを7人の悪魔たちに預けてる」

優仁「それが噂の7sin's...」

シャ「そ、暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、そして嫉妬。彼らに1つづつね」

バアル「あれ?残りの3っつは?」

シャ「私が持ってるよ。万が一に備えてね」

会話が一段落するとシャイターンは手を叩いて催促してくる

シャ「さぁさぁ、雑談は終わり。そろそろ君たちの出番だよ。」

バアル「それじゃあ、行こっか。優仁」

優仁「うん。"相棒"」

バアル「相棒...相棒かぁ...いいね、気に入った」

シャ「行ってらっしゃい」

「「行ってきます」」


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