第3話 いざ魔界へ

バアル「んじゃ、行くか。」

優仁「どこへ?」

バアル「魔界だけど?」

優仁「そんなサラッと言われても...」

バアル「いや、だって契約書はここにあっても本当に契約結ぶためには魔界に行かなきゃいけないんだよ」

優仁「まぁ....うん。超常的な事だし予想はしてた。うん。」

バアル「えーっと.....扉に使えそうなのは........これでいっか!」

そう言って押し入れの扉の前に立つと、またしても呪文の詠唱を始めた

バアル「I pray here,I pray here...Across a border of life and the death

Replace an illusion with a dream; and ...」

その後に押し入れを開けると虹色の通路になっていて不思議な空間に転移させられ....

なんてことはなく

バアル「さ、行こっか」

優仁「いや、変わってなくね?特に変わった様子のない真っ暗闇なんですけど?」

いいからいいからと手を引かれ押し入れの奥へ入っていった。

優仁「まるで洞窟だな」

バアル「もうそろそろじゃないかな?お、見えてきた」

やがて光が見えてくるといつの間にか足音がひとつ、またひとつと増えていき、やがて賑やかになった頃、洞窟をぬけて魔界に着いた。

魔界。夢と現、この世とあの世の境界。

故に世界という訳ではなく、大きな建物となっている。五重の塔を連想されるようなフォルムだが、外壁は正六角形で、5段どころではないほどの高さがある。

バアル「なにみてんの?ほら、行くよ」

優仁「わっ、ちょっ!」

バアルに引っ張られ、そのまま塔の最上階へ連れてこられた。

バアル「コンコン失礼しまーす」

優仁「し、失礼します...」

部屋に入ると執務室のようで、豪華な装飾と額に入れられた何かの許可証や写真、そして机の上には書類の束が積まれていた。

??「どうも、"暴食くん"、客人を連れてくるとは珍しいね」

そう、爽やかな声で迎えたのは声通りの爽やかな男だった。貴族風のひらひらが着いたシャツ、何かの動物の毛があしらわれたマント(?)。見ただけでこの魔界の上層部ということが分かる。そんな彼とバアルは...

バアル「ただの客人じゃないですもん!」

普通に話していた。

??「なるほど、"色欲ちゃん"の次は君だったか」

バアル「うわっ...契約が後ってだけでマウント取ってきそう....」

??「ははっ、確かにそうかもね。でも他人の陰口はいけないよ?」

バアル「あっ、そうだった!忘れてた......」

ものすごく自然に。旧友にでもあったかのテンションで...

優仁(偉い人じゃないの....!?てか気まずいんですけど!?)

??「談笑はこのくらいにして...客人に挨拶をしないとね」

そう言うと彼は向き直り、上品にお辞儀をして見せた。

シャ「私は3代魔王、アル・ソロモン・シャイターン。バアルと契約を結ぶということなら敬称はいらないよ。彼らとは対等でいたいからね」

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