真実

娘が笑顔を浮かべている、成功な、のだろうか。

私の体には死神の血が流れている。幸か不幸か、それが娘にも遺伝してしまった。だから娘には死神の仕事を教え、それを全うするように伝えた。しかし小学生の頃からか、死神であることを隠すようになった。中学生になっても死神であることを隠し続ける娘をみて、耐えられなくなり転校させることを決意した。


ある日部屋の掃除をしていると、転校初日に撮ったクラス写真が床に落ちていた。それをみたとき、娘のクラスメートに幽霊がついていることに気づいた。私が気づいたということは、娘も本当は気づいているのだろう。そのとき、娘に死神の仕事をさせるチャンスだ、とそう思った。神社の前をよく通り神主を装い、クラスメートにわざと遭遇し死神の存在などを事細かに説明し、娘に死神の仕事をさせるように仕向けた。

そこからは本当に私の期待通りに進んでくれたようで、今玄関にいるクラスメートには、幽霊がいない。娘は死神の仕事をちゃんと出来たようだ。


少し過保護すぎただろうか?しかし、今日娘の幸せそうな笑みを見れたから結果オーライだろう。これからも、娘が死神であることを隠さず、幸せに生きれますように――――――――心の底から私はそう願った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死神 藍崎乃那華 @Nonaka_1212

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ