8月10日
昨日壊されて大きく穴があいた屋根の下にベッドを移動した。ごろりと寝転がると眼前には星空が広がり、こりゃ天然のプラネタリウムだねぇと思わず呟いた。「そうかい」布団に潜り込みながら、レオがどうでも良さそうに返事をする。
「そんなことより早く塞がないと、寝てる間に魚が落ちてきて死ぬよ」「そんな極端な」
起き上がった私はサイドテーブルのグラスを口に運んだ。ひまわりのシロップをウィスキーに垂らしたものは、エアコンが意味をなさない夜には最適だ。「星屑のゼリーでも作っておけばよかった」「食べることしか考えてないな、君は」失礼な奴だな、そんなことない。と言い返そうとして否定しきれない。
私は部屋の隅からブリキのバケツをいくつか持ってきて、ベッドの周りに置いた。中に一つずつ蝋燭を灯す。「うげえ。それ煩くて寝られないんだよ」「子守唄だと思えばいいよ」「無理だね」それでも明日になればゼリーを食べるくせに。おやすみを言って布団にもぐりこんで目を瞑った。ぶつくさと文句を言いながらレオが隣で丸くなる。すぐに星が落ちる小さく乾いた音が部屋に響き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます