9


『それはお辞めください。私はただの公爵家。変に護衛をつけてはおかしすぎます。それに学園以外では1人での行動はありませんので心配はないかと。』

「そうか。君が要らないと言うならそういうことにしよう。」

「あらそれじゃあ危ないわ。レオをエレーヌちゃんの近くに居させましょう?レオはエレーヌちゃんの婚約者なんだから別におかしいことはないし。」

「それはいいな。そうしよう。明日からあいつの仕事はエレーヌ嬢を守ることにしよう。若いもの同士一緒にいる時間を増やした方がいいだろうしな。」

「そうよ!学園で会えなくてどこで会うのって話よ!いいわねエレーヌちゃん!」

『は、はい。』


王妃の圧に押されてつい返事をしてしまう。この自由恋愛の祖。余計なことを私は結婚したくないんだっての。


てか、エレーヌちゃんってちゃんってなんだ?王妃様のキャラがぶれすぎて分からん。ゲームの中ではもっと怖そうなイメージだったんだけどなぁ。


「おい、レオを呼べ。」


国王陛下がそばに居た騎士にそう伝える。余計なお世話ですよ〜。実は私さっき、王太子いないぜラッキーとか思ってたんですけどねぇ。


数分待つと大きなドアが開き王太子がやってきた。


「お呼びでしょうか父上。」

「レオ、お前の明日からの任務を伝える。」

「ここでですか?」

「そうだ。明日からのお前の任務はエレーヌ嬢の護衛だ。出来るな?」

「畏まりました。」

「じゃあ私たちは戻るとしよう。あとは2人で話すといい。」

「じゃあね、エレーヌちゃん。今度お茶会しましょうね〜」


国王陛下と王妃様はそう言うとその場から離れていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る