魔法

1



家に転移すると、使用人達が慌ただしくしていた。


『ねぇなんかあったの?』


近くに居た使用人を引き留め話を聞く。


「あ、お嬢様。いやそれがエレーヌお嬢様様が怪我をされたまま何処かに行かれたと王太子様から旦那様方にお話があってから旦那様が取り乱されておられまして。」

『へぇ〜お父様が。』

「そうなんです。・・・・・ってお嬢様!?」

『あ、やっと気づいた?気づくまで長いって〜』


ずっと気づかなかった使用人に笑いかける。もうさ、ずっと横にいるのに気づかないとか傑作すぎて。


「お、お嬢様いつお戻りに?」

『え、今。転移魔法で今着いたの。』

「そ、そうでしたか。こちらで少々お待ちください。」

『分かった。』


そう言われたので、了承すると使用人が走っていなくなった。旦那様〜っていいながら走って言っていたのかちょっと面白い。


少し経つとバタバタッっとお父様と、お母様がやってきた。遅れてお兄様も着いてきている。


「「エレーヌ!!」」

『お父様、お母様、お兄様。ただいま戻りました!』


笑顔で3人を迎える。


「エレーヌ、お前生きてたのか。」

「傷は大丈夫なの?」


お父様、お母様が泣きながら聞いてくる。


『ご心配ありません。精霊に治して頂きましたから。傷も残っておりません!』

「そうか、そうか。」


お父様とお母様は本格的に泣いてしまってもう話ができないようだ。


「本当に大丈夫なんだな。」

『はい、お兄様。半日体を休めたので元気です!ご心配かけて申し訳ありません。』

「お前が戻ってくれただけでいい。」


近づいてきたお兄様に抱きしめられる。それからお母様とお父様も私達の上から抱きしめてきた。すごくすごく幸せになった瞬間だった。

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