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王太子に頭を下げると、自分の手を魔物の背中に置く。静かに目を閉じ魔物から故郷のイメージを取り出す。
お願い、少しでいいから情報を!
何秒かそうしていると、魔物から急に色々な情報が流れてきた。私のことを信用してくれたらしい。これなら行ける!
『王太子様、失礼致します』
そう言うと、私は目を閉じ魔物から送られてきた情報を頼りに転移した。
ゆっくりと目を開けると、そこは静かな森の中だった。
『ここが・・』
一緒に来たはずの魔物を見ると走り回っているのであっていたのだろう。
私は魔物を横目にその場には座り込む。流石に魔力を使い過ぎた。それに傷が痛すぎてもう動けない。
あ〜私、ここで死ぬのかなぁ。その傷の出血量を見れば自分が死ぬ事かなんて馬鹿でもわかる。もっと人生楽しめば良かったよ。火の魔法もまだ取得してないのにさぁ。
あ!アメリーに風の魔法習得しろって言うの忘れた!あの子のせいで私が今日戦う羽目になったんだから何がなんでも習得して貰おうと思ったのに!
そんなことを考えていると、走り回っていた魔物が私の隣に座った。
『なんだぁ私の死に際を見に来たのかぁ?優しいなぁ。』
魔物の頭を撫でながら、ゆっくりと目を閉じる。
さよなら2度目の人生。
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