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アオオオオオッッッ

アメリーの返事を聞いた瞬間、魔物が急に叫び出した。


時間がない!どうする!今日に限って1番強い理事長が会議でいないし、ほかの先生も叶うとは思えない。


これは仕方ないか。


覚悟を決めると、私は立ち上がる。


「エレーヌ様?」

『アメリー、ここは危ないから早く逃げて。』

「え、エレーヌ様は行かれないのですか?」

『私はこの魔物を倒す。』

「え!?ダメですよ!死んでしまいます!あいつがどれだけ強いかお分かりでしょう?」


アメリーが私の腕を掴んで行かせないようにする。私はその腕を優しく離す。


『分かってるよ。でも理事長が居ない今、ここで戦えるのは私しかいないんだよ。』


もし死んだら王太子の婚約者になってね。そうアメリーに言い残すと私は魔物の前に立ちはだかる。


『こんにちは、魔物さん。ちょっと失礼しますね。』


魔物に向かってにっこりと微笑む。そしてすぐに私は魔物の周りに結界を張る。


『くっそ、めっちゃ魔力使うなこりゃ。』


額に薄らと汗を滲ませる。無魔法を持ってる私にしかできない裏の手だ。でも魔物が強いためいつも以上に魔力を使ってしまう。


「フォートリエ公爵令嬢。これは、」


腰を抜かして居た子息達が目を丸くして私に話しかけてきた。


『・・・これをやったのはお前らだよな?』


令嬢だってことを忘れ、口調が崩れる。まぁ今の私はめちゃくちゃ怒ってるので仕方ない。ってことにしといて。


「は、はい。」

『この魔物の暴走を収めたら話があるから、そこで待ってなよ。まぁ腰を抜かしていて動けないと思うけど。』


そう言うと私は子息達に背を向けて、魔物を閉じ込めている結界の中へと入っていく。


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