魔物
1
キャーーーーーーッッッ
王太子から逃げて廊下を歩いていると、急に叫び声が聞こえた。
なんだなんだ!?!?
急いで声が聞こえた方へと走る。人混みがある方へと走っていくと、人がどんどん私の方へと走ってきていた。
何が起きているのか気になるのでこちらに走ってくる人を適当に捕まえて話を聞く。
『ねぇあなた。何が起きたの?』
「魔物です!魔物が急に中庭に現れました!そちらは危険ですので早くお逃げください!」
そう言うとどこかの子息は物凄い速さで逃げていった。足はっや。
中庭に魔物?
・・・・これイベントじゃん!!ここで出てくる魔物を悪役令嬢が魔法でどうにかすることで王太子と出会うって流れのはず!
そうと分かれば今すぐにでも中庭に行かなくては!そう気づくと考えるよりも先に足が動いていた。
中庭に着くと、その場には強そうな魔物とそれを召喚してしまったであろう人と、割られた召喚石が落ちていた。あ〜ふざけて召喚石をいじってたら落として割っちゃったパターンか。何やってんだよ、あの馬鹿子息達は。腰抜かして逃げれてないし。
っとそんなことより、この場の主人公のアメリーはどこでしょう。木の影に隠れながらアメリーを探す。キョロキョロと探すと、入口ら辺に青ざめたアメリーが居た。私は小さくアメリーに手を振る。
アメリーは私に気がつくと、走ってこっちの方に走って来た。
『ど、どうしたのアメリー。あなたの出番じゃないの!』
「そ、それがエレーヌ様。私、風の魔法が使えないのであの魔物を倒せません!」
『はぁ!?!?』
「ですから倒せないんです!原作は風の魔法で倒す設定なんですがなんせ今のアメリーは使えませんので倒す方法が無いんです!」
驚きのあまり口が閉じない。
『本当に出来ないの?』
「・・・はい。」
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