12


『ねぇアメリー。あなたってなんの魔法使えるの?』

「え〜私?」


次の日の昼。私はアメリーとお茶をしている。


『そうよ。一応元は悪役令嬢でしょ?使える魔法あるんじゃない?』


ゲームをしていた私なのだけど、悪役令嬢に一切の興味を示して無かったので悪役令嬢の使える魔法を一切知らなかった。


「それがさぁ。悪役令嬢ってことで闇魔法使えるんだけどさ、それ以外はさっぱりなんだよね。いやね、本当はアメリーってあと風の魔法が使える予定だったんだけど、アメリーの中の私って馬鹿だから習得出来ませんでした!」


お、おぉ。私の逆系の子なのね。私は無かった魔法を習得したけど、アメリーは習得できなかった系ね。


『習得する気は無いの?』

「無いですね。悪役令嬢になる訳でも無いので必要ありませんし。」

『そ、そっか。』


やっぱり原作と全然違う感じになってるな。あ〜困った困った。王太子のちゃんとした婚約者って中々見つからないのよ。だからこそどうにかして悪役令嬢と王太子を近づけなきゃ行けないのに!


「あ、そうだ!エレーヌ様!これ食べて見てください!」


アメリーはそう言ってクッキーを差し出す。


『え、ありがとう。』


1つクッキーを取って食べてみる。


『美味し!!』

「本当ですか!お口に合わなかったらどうしようかと思っていたんですけど。」

『いやいや、これはお店以上の仕上がりでしよ!これ手作りとか天才だねアメリー。』

「ウフフッありがとうこざいます。やっぱり推しに喜んで貰えることが1番幸せですね。」

『中身は本物じゃないけどね。』

「そんなの関係無いですよ!エレーヌ様はエレーヌ様ですから。」


素晴らしく綺麗な笑顔を向けられる。めちゃくちゃ可愛い。アメリーの周りに光が見えた気がする。


その後もたくさんアメリーと話をして幸せな時間を過ごした。

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