11
『ねえクロエ!聞いて!私使える魔法が1つ増えたのよ!』
「そうなんですか!?おめでとうございます!」
帰って来てそうそう、出迎えてくれたクロエに今日起きた話をする。クロエも祝福してくれた。
「なんだ?騒がしいな。」
『あ!お兄様。聞いてください!私、使える魔法が増えました!』
「それは本当かエレーヌ」
『はい!見ててください!』
そう言って鞄を空中に浮かせる。
『ねぇ?本当だったでしょう?』
「あぁ。さすがだな、おめでとう。」
『ありがとうこざいます。』
手を広げてくれたお兄様に抱きつく。最近はこういうスキンシップが増えた気がする。私より背の高いお兄様なのですっぽり埋まってしまう。まぁ苦しくないからいいんだけど。
「水の次は風の魔法か。次は何を学ぶ予定なんだ?」
『お兄様と同じ火の魔法を学びます!』
「俺と同じのか。いいじゃないか。でもこれまで以上に扱いに気を付けるんだぞ。火の魔法は元は攻撃魔法。水や風とは全然違うからな。」
『はい!お兄様。今まで以上に気を引き締めて勉強します!』
私の言葉を聞くとお兄様は私の頭を撫でてきた。髪が崩れるので止めて欲しいけど、お兄様なので許すとしよう。
「聞きたいことがあったらいつでも聞いてくれていいからな。」
『はい、お兄様』
もう一度お兄様とハグをすると部屋に戻った。
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