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「これぐらいだろうか。なにか聞きたいことはあるかい?」

『はい。私は何歳なのでしょうか?』

「17だ。」


歳は変わらないんだな。


『ありがとうこざいます。あと1ついいですか?』

「あぁなんでも聞いてくれ。」

『17ということは来年で成人ですよね?』

「あぁそうだな。それがどうした?」

『私に婚約者なんていないですよね?』

「あ、あぁ、う、うん。いないぞ。今のところは。」

『今のところ?』

「いや、気にするな。今エレーヌには婚約者は居ない。これでいいか?」

『はい。ありがとうこざいます。』


座ったままだけど、きちんと礼をする。日本人たるもの礼を忘れちゃダメよね。


「あぁ。あとはソフィアと話すといい。私は仕事に行く。」

「行ってらっしゃい。」


ソフィアさんが軽いお見送りをすると、再び私の前の席に座った。


「エレーヌ。あなた性格変わったわね。」

『え?』

「前は消極的すぎて、暗い感じだったけど、今はその真逆って感じでとても明るくていいわ。私はこっちのエレーヌの方が好きよ。」

『それは、ありがとうこざいます。』

「それよりエレーヌ。明日からの学校どうする?病み上がりだから、まだ行かなくてもいいのだけれど。」

『いえ、お母様。私明日からきちんと行きます。せっかくの魔法の授業が台無しですから。ですが、記憶の無い私が行って大丈夫でしょうか?』


全然覚えていない状態で学校に突入するのは、自殺行為だよね。


「そのことは心配しなくていいわ。学校の方にそのことは伝えたし、今日中には学校全体に広まってるはずよ。」

『そうですか。分かりました。』

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