3

「大丈夫か??ソフィア。」

「え、ええ。平気よ。」


美男美女の夫婦。エレーヌ、勝ち組じゃないの。


ソフィアさんが大丈夫なのを確認すると、隣のお父さんであろう男性が話しかけてくる。


「君の名はエレーヌ。私たちは君の両親だ。私が父親のシリル。そして、隣にいるのが母親のソフィアだ。ここは私たちの家で、ここはエレーヌ、君の部屋だよ。」

『そうでしたか。ですがなんで私はこうなったんですか?』

「君は階段から落ちたんだ。それも1番上からね。」

『それで、頭を打ってしまいこうなったと。』

「大方そうだろう。幸い大怪我じゃなかったんだが、頭を打ってしまっていたとはな。」

「ほんとですわ。まさか、記憶を失ってしまうとは。」


ソフィアさんがまた泣いてしまった。シリルさんが背中をさすって落ち着かせている。


「旦那様、奥様。本日は心を落ち着かせるために休まれた方がいいかと。お嬢様も目覚めたばかりですので。」

「そうだな。エレーヌに負担をかれる訳にはいかないしな。ソフィア早めに戻ろうか。」

「え、えぇ。おやすみなさいエレーヌ。」

『おやすみなさい。ソフィア様。シリル様。』



私が名前を呼んで挨拶をすると、ソフィアさんはさっきよりも泣いてしまった。


「おやすみ。エレーヌ。」


シリルさんがソフィアさんを抱きしめながら部屋を出ていった。



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