4

「お嬢様。そろそろおやすみになられては。」


侍女であろう女性が話しかけていた。


『あの、』

「はい。なんでしょう。」


笑顔で私に質問を聞いてくれる。


『名前はなんておっしゃるんですか?』

「敬語はなしで構いません。私の名はクロエです。クロエと呼び捨てでお呼びください。私は、お嬢様の侍女として仕えております。」

『侍女。』

「はい。そうです。」

『そうなんだ。よろしく。』

「はい。よろしくお願い致します。それよりもお嬢様。先程目覚めたばかりなのですから今日は早くお身体をお休め下さい。お話は明日に致しましょう。」

『分かった。おやすみ。』

「おやすみなさいませ。お嬢様。」



そういうとクロエは電気を消して静かに部屋を出ていった。



そして私はというと、すぐに寝れるはずもなく情報を整理していた。


私は琴弓。転生前は普通のどこにでもいる高校生だった。そして車に轢かれて目が覚めたら、自分が好きだったゲームの世界へと転生していたと。

で、今の私はエレーヌ。あ、外側の話ね。中身は琴弓だから。そして、さっき来ていたのがエレーヌの両親。そして、侍女のクロエ。


『何となく今までのことは整理できたかな。それよりも、ゲーム内容が肝心よね。』


私がハマってたのは、普通の恋愛ゲームだった。ヒロインのエレーヌが王太子のレオと婚約し、幸せになっていく話。その過程の中で、数々の攻略対象者が出てきたり、絶対必要な悪役令嬢とかが出てくるんだよね。


ありきたりな感じなんだけど、意外とハマってしまったんだよね〜だから、主要イベント系は覚えてるから大丈夫だけど。


それよりも問題が発生してる。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る